2026年4月3日(金)

都市vs地方 

2026年4月3日

 広尾病院屋上にはヘリポートも設置されている。しかしヘリコプターは天候が悪ければ飛ぶこともできない。そういう時は船も欠航となる。そもそも日常的に通院することは不可能に近い。

 島に住むことによる生活上の問題は医療だけではない。漁業や農業による生産物を運ぶには経費がかかる。だから単価の高い物を生産するほかはない。船の欠航が相次ぐと出荷も順番待ちとなってしまい、市場で値がつくチャンスを逃してしまう。

南鳥島を処分場とするための課題

 離島は波に洗われ土も風に飛ばされる。放置すれば消滅していく可能性がある。人が住んで初めて維持される。南鳥島は本土からは南東に約1800キロメートル(㎞)、小笠原諸島の村役場が置かれている父島からでも東南東に1200㎞以上離れている。

 南鳥島の面積は1.51平行キロメートル(㎢)。現在置かれているのは国の自衛隊や国土交通省(港湾)、気象観測の施設である。1370メートルの滑走路と港湾施設がある。入間基地から航空自衛隊の飛行機で約3時間半かかる。

 南鳥島に放射性廃棄物を処分するためには安全に輸送するための施設を整備しなければならない。廃棄物は地下300メートル(m)以下の安定した地盤に埋めることになる。

 これから行われる文献調査では既存のデータをもとにそういう島の地下に処分することの可能性や安全性が検討されるだろう。仮に第2段階の概要調査(ボーリング調査などが行われるだろう)に進むとすれば、今回のような村長の同意だけでなく東京都知事の同意が必要となる。

 政府は今回の小笠原村への申し入れに先立って1月に「放射性廃棄物の処分場調査については電力消費地も協力するよう」各都道府県に通知を出している。東京都が一大電力消費地だから南鳥島に、という関連性はあまり感じられないが、第2段階の概要調査に対して東京都が賛否を決めるためには問題の本質を都民に十分周知しなければならない。

 放射性廃棄物の処分場問題とは別に、今回のワシントンにおけるトランプ・高市日米首脳会談に先立って日米両政府は日米関税合意に基づく対米投融資第2弾の一環として南鳥島周辺海域でのレアアース開発についての協定文書をまとめた。

 南鳥島沖の、日本の排他的経済水域内の海底には、莫大な量のレアアースを含有する特殊な堆積物が広範囲にわたって存在している。世界最高水準の掘削能力を持つ地球深部探査船「ちきゅう」号は、水深約6000メートルの深海底に到達させるため、長さ約10メートルの特殊な揚泥管を約600本も船上で連続的に接続し、深海底から実際にレアアースを含む泥を持ち帰ることに成功した。


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