漁獲好調の対馬暖流系群も枯渇の懸念
東シナ海・日本海といった西側の海域でマサバの漁獲が比較的好調に推移している。漁獲枠は19年より太平洋系群と対馬暖流系群(東シナ海系群)に分けて管理されています。前者のサバ資源の主力である太平洋系群は過大な資源評価と巨大な漁獲枠(24年度・漁獲枠35万トン・消化率22%)で成長乱獲が続き、資源は壊滅的な状態となってしまいました。
一方で後者の対馬暖流系群については同・22万トンに対して消化率87%と消化率が高くなっています。枠が満了に近づくことで、数量管理が機能し始める段階です。
ところが、肝心の漁獲サイズは上の右のグラフでわかる通り0~1歳の幼魚主体です。言い換えれば、ローソクサバとピンローソクを漁獲してしまう成長乱獲です。そして獲れなくなってくると、全国で起きている、海水温上昇だとか中国がなどと責任転嫁が始まり後の祭りです。
「主に九州や山陰で水揚げされるこれらのサバの成長が早い」と聞いたことがあるので調べてみました。言うまでもなく0~1歳のローソクサバが突然3歳以上に成長するはずはありません。漁獲されているという大きなサバというのは、選別されたごく一部の大きなサバに過ぎませんでした。
現実的な例として9割がローソクで1割が中くらいのサバだったとします。その1割の中くらいのサバは多少大きくても、9割はローソクなのです。
先ほどの表のノルウェーサバの成長データをご覧ください。23年シーズンは例年そうなのですが、1尾400~500グラム(g)主体でした。6~10歳の成魚です。200g未満といった幼魚が漁獲されることはまずありませんし、漁業者は経済的・資源的に悪いのでサバの幼魚の漁獲を避けます。
太平洋系群のサバを獲り過ぎでつぶしてしまった現状では、対馬暖流系群の資源管理を強化して最低でも3歳以上の漁獲にすることが非常に重要です。せっかくの資源回復のチャンスを再び成長乱獲で自国の資源管理制度の不備でつぶしてしまい、その後に外国漁船や海水温上昇に責任転嫁しても何の解決にもなりません。
ノルウェーを含む大西洋サバの高騰で、日本の安いサバへの引き合いはさらに強まります。しかし、その価格は従来の価格より高いとは言っても、国際相場の数分の1です。さらに親になる前のサバなので、それを獲り切ってしまえば資源は途絶えてしまいます。資源の持続性も何もありません。
獲れなくなったのは漁業者が減ったからとか、消費量が減ったからといった要因は関係がありません。今行うべきことは、ごく短期的な資源の浪費ではなく、5年後、10年後、20年後にサバの資源を残しておくことです。
社会がこれまでの様々な資源管理のミスリードから目を覚まし、科学的根拠に基づく数量管理を徹底すべきギリギリのタイミングなのです。

