米穀機構のコスト指標は、60㎏玄米当たり税込みで生産者段階が2万535円、集荷段階2539円、卸段階2346円、小売段階4992円となっている。この4段階を合計して1㎏換算すると506.9円になり、5㎏当たりの精米換算では2816円になる。
農水省の買い入れ価格がコスト指標を参考にしたものとみられる。食料システム法の説明会で農水省は「コスト指標はあくまでも目安で努力目標」としているが、コスト指標以下で取引した場合、名前を公表されたうえ公取にも通告されるという罰則規定があるため、コメ業者はこれを無視するわけにはいかない。
コメ業界からは「ただでさえ価格の乱高下に遭っているのに、法律で縛られたら商売を続けられない」といった声が上がっている。
積極的に動く全農系統
全農系統は備蓄米買入入札でも、全国的な組織力を活用した「戦略的入札方式」で全量を落としに行く方針。一般的には入札でこうした行為をすると独禁法に触れるが、農協は独禁法適用除外になっている。
初回は落札価格を探る動きもあり、初回落札率は5.6%の1万1710tだったが、2回目は15万9722tが落札された。3回目までに全量が落札され、一端は価格下落の歯止めになるとみられる。
しかし、それも束の間で、26年産米の収穫が始まると再び値下がりする可能性が高い。26年産米のうち21万tを国が買入れしても需給緩和傾向は改善しないと予想されているためだ。
全農系統は買い戻し条件付きで買い受けた政府備蓄米の買戻しを国に強烈に働きかけ、それを受けて農水省は買戻しを実施する流れになると予想されている。結局のところ農水省はいつまでも全農サイドの意向を覗う役所に成り下がっているというしかない。
何のために買入なのか。食料システム法は何のためにあるのか、疑問は大きい。これでは、コメ業界も消費者である私たちも幸せになれるとは思えない。
