2026年7月25日(土)

勝負の分かれ目

2026年7月25日

 またハイドレーションブレイクには従来の飲水タイムのような監督スタッフによる戦術的な指示の制限が無く、戦い方を修正したり、悪い流れを切ってリスタートできる効果もあった。90分を4つに区切るクオーター制のようになることで、競技としてのサッカーが変容したと言っても過言ではない。

48カ国制が示した「質」と「夢」

 今大会最大の改革だった48カ国制(従来は32カ国)も、大きな議論を呼んだ。これにより試合数は64試合から104試合へ増加し、グループステージの期間は1日4試合が行われるなど慌ただしい進行の中で、実力差の大きなカードも目立った。いわゆるワンサイドゲームも起こりやすく、3位の上位8カ国もラウンド32に進めることから、グループステージの緊張感が薄まってしまったという批判は多い。

 一方で、この拡大がなければ見ることのできなかった物語も数多く生まれた。その象徴がアフリカ勢の躍進だった。

 人口55万人に満たないカーボベルデは組織的な守備と鋭いカウンターでグループリーグを突破し、ラウンド32ではアルゼンチンを相手に壮絶な3-2の激闘を演じた。敗れはしたものの、小国が世界王者を本気で追い詰める姿は、多くのサポーターの心を動かした。

カーボベルデは初出場ながら、躍進した

 半世紀ぶりの出場(当時はザイール)となったコンゴ共和国も、ラウンド32ではイングランドをあと一歩まで追い詰めるなど、アフリカ勢10カ国中9カ国が決勝トーナメント進出という歴史的な成果を残した。ドイツ公共放送のドイチェ・ヴェレは「アフリカと世界トップとの差はほぼ消えた」と評価している。

 48カ国制は確かに競技レベルのばらつきを生んだ。しかし、それ以上に世界中へ夢を広げる舞台となったことも否定できない。これまで世界大会へ出場することさえ難しかった国々が、世界最高峰の舞台で存在感を示したことは、W杯という大会の本質を改めて思い出させた。

ベテラン躍動を象徴したメッシの活躍

 今大会ではもう一つ、印象的なテーマがあった。ベテラン選手たちの存在感である。41歳で6度目のW杯となるポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド、クロアチアの司令塔ルカ・モドリッチら、サッカー界を牽引してきたベテランが大会を彩った。その象徴がアルゼンチンのリオネル・メッシだった。

 6大会連続のW杯出場を果たしたメッシは、アルジェリア戦でハットトリックを記録。準決勝イングランド戦では見事な2アシストでアルゼンチンを決勝へ導いた。


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