今回の潜水艦とミサイルの種類は未公表だが、専門家は、潜水艦は最新鋭普及型の094型で、ミサイルは恐らくJL―3型とみている。エリクソン海軍大学校教授が公表した文書では、中国は094型より静謐な新世代潜水艦を建造し、ロシアの能力に近付いている。彼曰く、中国の潜水艦静謐化は不完全だが改善している。
多くの専門家曰く、日比台豪米が7月6日の発射実験を批判したが、中国は同様の発射実験をさらに行うだろう。アジア協会モリス曰く、中国は過去渤海湾で潜水艦発射型ミサイル発射試験を秘密裡に実施した。今回のような発射実験では、戦時の各種データが検証できる。
アルベルク元北大西洋条約機構(NATO)軍備管理軍縮センター所長によれば、今回の実験の発射位置は、「要塞化」戦略と合致している。この戦略では、中国の潜水艦は探知や攻撃からの防衛ライン内側の自国沿岸近くを航行する。
JL-3型ミサイルは、そこから米国西海岸全域を攻撃できる。このような「要塞」の中であれば、中国はミサイルを発射しても米国にやられないとする。
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中国の「要塞化戦略」への対策
この分析を読んで気になるのは、実験は繰り返されるという見方と、中国の「要塞化戦略」だ。確かに、現在中国は米国と全面的に肩を並べるため、核弾頭数の著しい増加を含め、多方面で努力し、従来後れを取っていた潜水艦発射型ICBMについても、潜水艦とミサイル両面で質量共に米国に迫ろうとしている。そのためには、一定の実験は必要だろうし、中国にしてみれば、米国が太平洋で毎年ICBM発射実験をしている中で、「何が悪い」ということだろう。
中国が今後も発射実験を繰り返せば、今回は日本、フィリピン、台湾、豪州、米国の批判で済んだが、今後は、中国が影響下に置いたと感じている南太平洋島嶼国からも批判の声が上がり、日豪両国にとって、島嶼国を陣営に取り込む千載一遇の機会になり得る。究極的には、現在ツバル、マーシャル、パラオに留まる台湾と外交関係がある国を増やしていくことが目標になるし、それが中国の行動の政治的コストを高める最善の途だが、各国にとっては、最初からそれを目指すのはハードルが高すぎるだろう。
