2026年8月20日(木)

食の「危険」情報の真実

2026年8月20日

ゲノム編集トマトは大ヒット

 不思議なことに、GM作物とは対照的に、ゲノム編集食品の開発・実用化の面では今のところ、日本が世界の先頭を走っている。

 ゲノム編集食品とは、生物自身が持つ遺伝子を目的に合わせて効率よく書き換える技術だ。外来の遺伝子を導入していないところが遺伝子組換え技術と異なる。

 日本ではこれまでのところ、健康によいトマト、糖度の高いトマト、肉厚のマダイ、成長の速いフグやヒラメなど11品目のゲノム編集食品が国(消費者庁)に届け出られている。

 その中でひときわ光るのが、筑波大学発のベンチャー企業サナテックライフサイエンス(東京)が開発した「ハイギャバトマト」だ。6年前に国へ届け出られたゲノム編集食品の第1号だ。今夏には缶ジュースも登場した。

ハイギャバトマトと缶ジュース

 GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種。22年12月に「高めの血圧を下げる」「睡眠の質を高める」「肌の健康を守る」「ストレスを緩和する」の4つの機能性を表示できる機能性表示食品(消費者庁所管)を取得してから人気が高まった。

 今年6月には関東地方を中心に約500店舗のスーパーで販売されるまでに成長した。これだけ広範囲でゲノム編集食品(青果物)が販売されている例は間違いなく世界でも日本が初めてである。

 こうした国産のゲノム編集食品が世界の先頭を走る背景に関しても、同書は詳細に分析している。この書籍を読めば、同じバイオテクノロジーを活用する世界の中で遺伝子組換え作物とゲノム編集食品で明暗が分かれた理由もわかるだろう。また本書を通じて、日本のバイテク農業のあるべき未来像を考えるヒントも多く得られるだろう。

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