さらに、ロイター通信が去る4日、「特報」として伝えたところによると、米軍はこれら迎撃兵器のみならず、対地攻撃用の陸軍戦術ミサイル・システム(ATACMS)および精密攻撃ミサイル(PrSM)についても、対イラン攻撃以来、「その大部分」を使い果たした。
いずれの兵器も、遠距離からの発射で目標を正確に狙うことができるため、これまでは主として、ウクライナ戦争でロシア側の軍事施設攻撃に使用されてきた。しかし、その後、対イラン作戦で払底してきたため、トランプ大統領は今後、大規模なイラン攻撃に出る場合、被弾のリスクの高い爆撃機に依存せざるを得なくなっている。
同通信はさらに、「複数の権威筋」の話として「これら最新鋭ミサイル不足の深刻化は、ロシア、中国を含む敵国に対する抑止力を損じすることになる」と報じている。
米軍の弾薬不足のうち、とくに問題が深刻化しつつあるのが、迎撃兵器だ。米NBCNewsの報道によると、対イラン作戦では、イラン軍による弾道ミサイルやドローンを使った攻撃のすべてに迎撃ミサイルで対応する余力がなくなってきているため、標的になっているイラン周辺国の米軍基地施設のうち、限られた兵員しかいない施設については被弾を黙認せざるを得なくなっているという。
飛び交る反論と追及
こうした報道に対し、国防総省スポークスマンは去る7月28日、「米国は世界最強の軍事力を保持し続けており、大統領の指示と選択通りのあらゆる任務に備える態勢をとっている。米軍はいかなる戦場においても国民の利益と安全を保護するだけの十分な能力を保有している」と反論している。
一方、ヘグセス国防長官は8月4日の上院歳出委員会に喚問され、弾薬不足問題について追及された際、「問題の根源は、(現政権下の)対イラン作戦よりはるか前のウクライナ戦争で弾薬を無鉄砲に使い果たしたバイデン政権の失政にある」「当時の政府当局者は(弾薬補充のための)の真剣な努力を怠った」などとして、責任転嫁の発言に終始した。
しかし、こうした姿勢については、野党のみならず与党の議員たちからも批判の声が上がる。同委員会のベテラン・メンバーであるスーザン・コリンズ議員(共和、メーン州)からも「弾薬不足は積年の問題だが、とくに最近、問題はひっ迫している」と現政権の責任を追及する場面もあった。
