時間の経過と共に起きること
短期的には、日本のサバでも、大西洋サバでも、今サバを獲れば高い価格が付きます。しかしながら、時間の経過と共に違う運命が訪れてしまいます。
大西洋サバは27年に向けてサバ資源の回復の兆しが出てきています。各国は日本のように幼魚は獲らず、産卵できる親魚の資源量を意識しています。
例えばノルウェーで漁獲されるサバは400~500グラムの中・大型であり成魚です。ただノルウェー・英国・欧州連合(EU)・アイスランド・ロシアなど同じサバ資源を漁獲する漁業国が多く、資源管理は楽観視できる状況ではありません。
日本の場合は0~1歳の幼魚主体で深刻な成長乱獲を起こしています。親の魚が少なければ産卵できる魚は少なくなり、資源は増えにくくなってしまいます。親のサバを残す大西洋と幼魚まで一網打尽にする日本のサバの漁業では、先がどうなるかは火を見るより明らかです。
マサバの2系統(群れ)とその違い
日本のマサバ資源は大きく分けて2つの系統があります。下図左が太平洋系群で右図が対馬暖流系群です。
もともと太平洋系群の資源量の方がはるかに大きく、かつては釧路から銚子にかけて大量の水揚げがありました。塩サバやシメサバといった加工品は太平洋沿岸の加工場が主力でした。対馬暖流系群のマサバ資源も重要ですが、こちらの資源は韓国などと資源を共有している特徴があります。
下のグラフをご参照ください。最近10年の漁獲量推移ですが減少傾向であることがわかります。
さらに下のグラフをご参照ください。青の太平洋系群の漁獲量の減少が著しいことがわかります。系統ごとの漁獲量は24年までのデータしかないのですが、26年はさらに悪化しています。
一方でオレンジ色の対馬暖流系群はやや増加傾向にあります。太平洋系群の漁獲が、はっきり言えば獲り切れない漁獲枠による資源管理制度の不備により壊滅的になっている中で、対馬暖流系群の資源は貴重です。大西洋サバの漁獲枠が26年に前年比で半減したことにより、安いサバを求めるアフリカなどの市場からの引き合いが、対馬暖流系群のサバに対して強くなっています。
上の対馬暖流系群の年齢別の資源量推移を見てください。3歳以上の完全な成魚(緑色)の資源量の比率はほぼなく、0~1歳の幼魚(ローソクサバ)ばかりです。




