2026年10月29日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年10月29日

このままだとサバはどうなるのか?

 漁獲枠は2系統に分かれています。こうした分類は必要です。ただし水産業を成長産業にしている国々から見れば、太平洋系群はすでに禁漁水準でしょう。

 しかしいまだ漁獲枠が大きすぎて、魚価も高いため獲り続けています。このままでは資源管理制度の不備で決定的に資源を崩壊させてしまいます。

 対馬暖流系群は、漁獲量が伸びて枠がタイトになってくれば、25年のスルメイカの2回にわたる増枠のような圧力が行政にかかる恐れがあります。3歳未満の漁獲をやめて魚を成魚にしてから獲るようにすれば、卵を産む親が増え、魚の価値も上がります。

 しなしながら現状では「教育」不足で、どうしても目先の魚を獲る方向に心理が働いてしまいます。このまま獲り続ければ、漁業者だけでなく社会に獲り過ぎてサバがいなくなるブーメランが返ってきます。

 筆者には漁業者の方から「もう現場ではどうにもならないから、国が制限するように(筆者に)言って欲しい」という悲痛なメッセージも届いています。漁業者の方は、獲りすぎていることは十二分に分かっているのです。問題は獲り過ぎができてしまう制度にあるのです。

 行政は「国際的にみて遜色がない資源管理システムの導入」を目指しています。まさにその通りです。しかし社会の資源管理への理解が乏しかったり、北欧などの資源管理の成功例が書籍などで誤って伝えられたりしていることが少なくなく、なかなか先に進んでいません。

 「水産資源は永遠に枯渇することがありません」など誤った情報が原因で、科学的根拠に基づく資源管理制度が遅れれば遅れるほど、回復が難しくなります。時が経ちそしてなぜこんな馬鹿げたことを信じて、獲り過ぎてしまったのかと気づいても後の祭りです。

 資源管理制度の不備で減り続けるサンマ、サケ、アジ、サバ、イカナゴ、シシャモ、スルメイカ……。残された時間はあとわずかです。

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