米ランド研究所国際安全保障・防衛政策センターのジョーンズ所長が、6月4日付ウォール・ストリート紙掲載の論説において、IS(イスラム国)はイラク、シリアを超えて世界的に拡大しており、米国の対応が成功するためには、イラク、シリア以外でISに対峙しなければならない、と述べています。
画像:iStock
すなわち、ISは今やアフリカ、中東、アジアの10以上の国に勢力を拡大している。
去る5月29日のサウジアラビアのシーア派のモスクの自爆攻撃は、ISがいかに危険に怯まなくなったかを示している。
2014年の春、ISの指導者アル・バグダディがカリフ・イスラム国の樹立を宣言して以来、ISの拡大戦略は、以下の要素からなっていた。
1)地域の不満につけ込み、既存の軍事網を利用した。ISはパキスタンのタリバンの権力争いに敗れたHafiz Saeedに接近し、SaeedはいまISの南アジア支部の責任者である。ISはアフガニスタンのHelmand、Farah両州のタリバン不満分子にも同様の戦略を用いた。
2)仲間になりそうな者に金を与えた。たとえばナイジェリアで、政府軍に軍事的に負けていたボコ・ハラムを、金銭的に支援した。
3)イラク、シリアにおける勝利をソーシャルメディアで宣伝し、追従者を募った。
イラクとシリア以外での米国の反応は生ぬるかった。2014年初め、オバマはISの戦闘員は、アルカイダに比べて「二軍」であると述べ、脅威を過小評価した。