インドのObserver Research財団のモハン戦略研究部長が、National Interest誌ウェブサイトに6月26日付で掲載された論説で、モディ首相はインド洋におけるより野心的な外交政策に乗り出した、と述べています。
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すなわち、モディ首相はさる3月、訪問先のモーリシャスで、インド洋の島嶼諸国に対する海洋関与についての以下の5つの要素からなる枠組みを提示した。
1)インド自身のため、そして世界政治におけるインド洋の戦略的重要性の高まりを十分考慮して、関連諸国のため、インド洋の安全を確保する。
2)地域のパートナー諸国との安全保障協力を強化する。モディはセーシェルで、沿岸監視レーダー計画を発表した。これはインド洋に海洋状況把握網(maritime domain awareness network)を建設するという野心的計画の一部であり、監視レーダーをモーリシャスに8基、セーシェルに8基、スリランカに6基、モルディヴに10基配備する予定である。
モディはモーリシャスで、インド製オフショア巡回船の進水式に参列し、その際小島嶼諸国に海洋能力構築への協力を明らかにした。
3)インド洋の安全保障についての多角的協力体制を作る。
モディは、テロ、海賊、災害との戦いに関する地域取決めの強化を支援すると述べた。モディは、インドとモルディヴ、スリランカの3国間の安全保障協力にモーリシャスとセーシェルが参加することを期待すると述べた。インドがモーリシャスとセーシェルの戦略施設を使用することになれば、島嶼諸国でインドが戦略的足がかりを得る可能性が出てくる。
4)インドが島嶼諸国の海洋資源利用のための協力を強化する。