「好き」より条件で選びたい
「流石に美女は違いますね」と返信すると、
「違うよ、私は選り好みしないからたくさんメッセージが来るんだよ」と苦い表情の顔文字を送ってきた。
美智さんは厳しい条件を付けて相手を絞ることをせず、最初のハードルを低くして、メッセージをくれた人の中から、ていねいに見ていきたいと言う。
「顔には人格が出るから、まずは顔写真を見て、あとは、年収を明かしてない人もやっぱりダメだよね」
自分自身の写真は「キレイメのを載せているから、会ったらヤバイかな」という1枚を選んで載せた。私も見せてもらったが、年齢を超越した彼女の魅力が映し出されたよい写真だと思った。
その後は、「メール交換をしている人の文章がなかなかいいの」という男性が現れて、毎日やり取りを重ねた。
写真が好みのタイプで、文章が気に入り、あとは「会ったときに写真と違ったらどうしよう」という不安があるだけだったので、やり取りをする相手は、早々に彼一人に絞った。
メールで盛り上がった彼
ところが、実際に会ってみると、
「全然駄目だった。だって都内に住んでると言ってたのに、よく聞いてみたら、千葉に持ち家があると言い出してくるんだよ。それって詐欺じゃない? 私は千葉には住めないから、『なら最初から無理じゃん』みたいな……」
彼一人に絞っていただけに、ダメージは大きかった。
その後も美智さんは、精力的に相手を探そうと活動をしたが、仕事が立て込んできたこともあって、”次“はなかなか現れなかった。
「『会ってみて駄目だった』っていうのは当然の行程というか、仕方のないことだよね。だからどんどん会うしかないよね」
そう思っても、会いたい人は現れない。
「あーあ、目ぼしい人ってどこにいるのかな? なんかそうこうしているうちに、さっき、占いで『今年、会う男はダメだ』って言われたよ。運勢的には2~3年前に会った人の方がいいだろうって……。占いにまでこんなこといわれて、もう右往左往だよ~~」
ため息を深くついた。