仕事を続けていきたいから……
聞いていて、私は気がついた。
彼女が条件で選びたいのは、「仕事を続けたいから」なのだと。
ずっと仕事を続けていきたいから、「住む場所」が彼女にとっては大切なのだし、仕事のペースを落としたのだって、仕事と「一生付き合いたい」からなのだ。
自分の年齢に合った仕事のペースを作るために、「一緒に歩むパートナー」が必要だと考えたから婚活を始めた……というと、流石に言い過ぎだろうか。
いずれにしても、50歳になって初めて美智さんは結婚を求めた。
そんな彼女におおぜいの男性が申し込んでいるのも事実で、今や50歳以上の結婚市場は確実に形成されている。
“生涯未婚者”という言葉は、統計上では50歳以上の未婚者を指し示すものだが、現代の50代の男女に、生涯未婚でいるつもりの人はそれほど多くないのかもしれない。
追記:結婚相手紹介サービス大手のツヴァイによると50歳以上の会員数は、2000年度には男性が1000人弱で女性がおよそ300人だったものが、2014年度には男性がおよそ3500人、女性が1500人弱となっている。
会員数の中に占める50歳以上の会員割合は、2000年度は全会員26,629人(男女比は58:42)中、男性が6%、女性が3%だったのに対し、2014年度は全会員33,078人(50:50)のうち、男性が21%、女性が9%となっており、男女合わせた数字で見ると、2000年度の4.7%から2014年度は14.8%とおよそ3倍に増えている。
⇒第6回(11月配信予定)に続く。
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