世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年1月14日

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安全保障面での日米印連携を

 上記は、安倍総理の訪印直前の英エコノミスト誌の解説記事ですが、日印関係の重要性を客観的に評価しています。

 2015年12月の安倍総理の訪印は、インドの新幹線方式の採用、原子力協定の締結合意など、いくつかの大きな具体的成果を上げましたが、最も重要なのは、日印が戦略的パートナーとしての絆を固めたことではないでしょうか。特に、南シナ海について、モディ首相はインドとしても懸念しており、日印共通の大きな課題として取り組んでいきたいと述べました。そのうえ両首脳は、米国との連携の重要性を指摘し、米印海上訓練への日本の定期的参加を歓迎しました。この訓練は、インド太平洋地域の海洋問題に対処するための能力強化に資するものとされます。

 これはインドが南シナ海を含むインド太平洋地域で、日米と組んで海洋の自由を守るという戦略的選択をしたことを意味します。日本にとり心強い限りです。今回、日印間で防衛装備品および技術移転協定が締結されましたが、今後とも、安全保障関連の協力を一層進めるとともに、日米印3国間の安全保障面での連携強化に努めるべきです。

 なお、原子力協定の締結合意につき、核保有国インドとの合意の平和利用の確認、インドがNPT非加盟国であることへの懸念、インドが核実験をした場合の対応などが問題とされています。平和利用の確認については、そもそも原子力協定の最も重要な目的は平和利用の担保であり、協定を結ぶことによって平和利用は保証されます。インドのNPT非加盟については、NPTは米英仏露中の5か国のみを核保有国としており、インドが加盟しないと言っているのは当然で、インドが現在のNPTに加盟する可能性はありません。

 インドが核実験をした場合の対応は、原子力協定の規定になじむ問題ではありません。すでに安倍総理が述べているように、核実験実施の場合には、日本は協力を停止することを宣言し、インドがそれに留意するというのが考えられる対応でしょう。

  
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