チャイナ・ウォッチャーの視点

2016年5月11日

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 と言っても値段が下がったわけではなく、ほぼ上がったままの価格で落ち着いたということ。ただ、上海の不動産仲介会社によると、その政策後は市場の雰囲気が売り手市場から買い手市場に一気に変わったとのこと。今回の相場で大きく売買が動いたのは3月の政策発表前までで、高めの売り出し価格を付けて、売れ残った物件はなかなか買い手がつかないと。

 ちなみに、中国の毎日経済新聞によるとこの政策が発表されて前日に駆け込み需要が集中し、上海の一日の新築物件の販売件数が、なんと1700件、総面積で20万平方メートルを超えたとのこと(こうした情報が事前に漏れるところが中国らしくて面白い)。少なくとも、これまで在庫物件に苦しんでいた不動産デベロッパーを救い、さらなる土地の仕入れを促進したいという政府の目論見は見事に成功したといえる。

賃貸物件も値上がりし、日本人にも影響

 とはいえ、今回の上げ相場、中国房地産協会発表のデータで見ると、平均で前年同期比30%程度の上昇となっている。ただ、人気のある上海中心部では50%超、上がったところもあるほどの過熱であったわけだが、これにより一時取得者のハードルはより上がり、また賃貸価格も急上昇している。日本の駐在員も契約更新による値上げで更新できず、より条件の悪い物件に移るケースも出てきているようだ。

 また、値上がりを見込んだ業者が一棟もののサービスアパートを買収し、リノベーションした上で高値で分譲したり、さらに高級なサービスアパートにしたりして、より高値で賃貸する動きも活発になっている。日本人が多く住む虹橋地区でも同様の事例があり、日本人の世帯が百数十単位で追い出されるケースも出ており、同地区の賃貸市場の高騰に拍車をかけている。

 同じく中国房地産協会発表のデータで見ると、上海の賃貸料は平均で前年同期比20%近くの上昇となっており、日本人が多く住む虹橋地区の人気物件の賃料の上げ幅はそれを上回るケースも多いようだ。

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