World Energy Watch

2016年5月13日

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世界最大の市場になった中国

 詐欺があったものの、中国市場は世界最大のEV/PHV市場になった。生産メーカーの国別シェアでも、中国が33%になり、世界一になった。図の通りだ。中国では第2のテスラを目指すEVベンチャー企業だけでも10社以上あると言われ、製造が比較的簡単なEVの製造業者が筍のように出てきている。

 そんななかで、力を付けているメーカーも出てきた。昨年6万2000台を販売した最大メーカーBYD(比亜迪汽車)は南米などに続き、豪州への輸出を開始すると発表した。輸出されるE6モデルは、タクシー主体に利用される予定だが、価格は8万豪ドル(640万円)と報道されている(注:中国での販売価格より60%以上高いので特別仕様車の可能性が高い)。

 中国メーカーは技術力を付けるため技術者の引き抜きも行っている。BMW社にて、iシリーズのEV開発に携わっていた複数のエンジニアが辞職し、中国最大のインターネット関連企業テンセントが後押しするベンチャーEV企業、フユーチャ・モビリティーに移籍すると報道されている。また、テスラの製造担当副社長と生産担当副社長の辞任も報道されている。去就は未定とのことだが、中国メーカーに移籍する可能性もあるのかもしれない。

 日産自動車のゴーンCEOは、同社のリーフが中国市場では思ったほど売れないことに触れ、中国のEV製造コストは25%安いが、リーフと同じ航続距離を達成できるとコメントしている。世界の自動車、環境政策の展開次第では、中国メーカーが急速に世界市場に進出してくる可能性もある。

 モデル3が米国で人気のテスラも、なぜか中国市場では苦戦している。「対生物兵器モード」と呼ばれる特殊なエアーフィルターをテスラのモデルは備え、大気汚染のひどい中国では車内の空気が外よりも800倍綺麗になるとアピールしているが、それでも中国では売れていない。

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