World Energy Watch

2016年5月13日

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気候変動問題への対応にはEV、PHVと燃料電池車

 気候変動を引き起こす温室効果ガスの大半を占めるCO2の20%以上は、全地球ベースでは運輸部門から排出されている。国によってその比率は異なり、米国のように車の使用が多い国では高くなり、中国のように国全体では、まだ自動車が普及段階にある場合にはその比率は高くない。表が示す通りだ。

 CO2削減のためには様々な方策があるが、自動車からのCO2排出を抑制する方法は燃費向上策が主だったため、輸送部門からのCO2排出量の抑制は進んでいない。国際エネルギー機関(IEA)によると、何も対策を取らなければ輸送部門からのCO2排出量は、新興国での自家用自動車の普及もあり2030年に20%増、2050年に50%増になると予測されている。

 輸送部門のCO2排出量を抑制する方法の一つは、生物由来のバイオ燃料を使用することだが、バイオエタノールとバイオディーゼル製造の原料となる植物育成のため使用される土地と水が、2億7000万人の食糧に相当する食物生産を阻害しているとの研究もあり、バイオ燃料の増産には疑問も出されている。

 食物との競合を避け、CO2排出を抑制する一つの方法はEVとPHVを導入することだ。昨年12月に開催された気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)において、IEAは2030年にはEV/PHVと燃料電池車が全世界で20%のシェアを占め1億台に達する必要があると指摘している。

 ただし、EV/PHVを導入すればCO2排出が抑制されるとは限らない。中国のように発電量の70%以上が石炭火力からとなると、1kWh当たりのCO2排出量が多くなり、EVの性能によっては、ほとんどCO2は削減されない。発生源が街中の自動車から郊外の発電所になり、大気汚染の解決には多少寄与することにはなる。

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