そんな条約(アグリーメント)のシェンゲン村どころか、ルクセンブルグを知らなければEUは理解できない。ルクセンブルグは、EU発起人の一人だ。属領ではなく、独立国だ。陸のジブラルタルと言われるだけあって、険しい崖の上にできた小国だ。国語はフランス語だが、家では別の言葉を話していると思う。ルクセンブルグにはいろいろな不思議がある。人口約50万人の小国とはいえ大学と中央銀行がなかったが銀行が200くらいある。
有価証券の源泉税が存在していない
最近まで、有価証券の源泉税が存在していなかったので、近隣諸国からの利子配当受け取り客で銀行の窓口はいつも黒山であった。地下鉄はないが、バス路線は豊かで、その運転手は1000万円程度の年収だそうだ。1人あたりのGDPは世界1位なのでそんなものだろう。軍人最高位は大佐だと聞いた。兵隊の数が少ないのでそれ以上の位はできないと言うのだ。兵隊の総数を尋ねると、聞くなと言われた。もう一度聞くと、小声で450人と答えてくれた。
それでもNATO軍の一員となっている。通貨ユーロが導入される前はルクセンブルグフランが流通していた。中央銀行がないのに、どのようにしていたのか興味がある。ルドルフ殿下の肖像の紙幣であったと記憶している。殿下が日本でネスカフェの宣伝に登場した時は驚いた。いわばおもちゃの兵隊のおもちゃの国が生き延びてゆくためにEUを作りシェンゲン条約を作っている。それぞれの国が自分の国益を最大化し、負担を最小化するところでユニオンを形成していることを忘れてはいけない。誰かが言った。学問とはダブルスタンダードにおける自己正当化だと。日本大丈夫か。
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