――民主党は白人票を取るために、これまでの態度を変化させているのでしょうか?
西山:都心部に住む高学歴で高収入な白人は民主党を支持する傾向が強いのですが、農村州の白人には共和党支持者が多いんです。そうした白人票を獲得するためにオバマ大統領は白人対策をしています。それは、様々なスピーチで「黒人や移民は真面目に働かない文化を持っている」という主旨の発言で、白人票を取るための1つの表れかと思います。これは黒人であるオバマだから言えることですが、民主党の黒人や中南米系の議員が今後同じような発言をするようになるかもしれません。
こうした共和党と民主党の駆け引きは見所になると思いますね。
――それでは最後に本書をどんな人に特に薦めたいですか?
西山:日本人はアメリカのこととなると勉強をしなくてもなんとなく知っているつもりになっている人も多いと思うんです。アメリカに関することは、正しくない俗説が広まってしまっている印象もあります。例えば、共和党は日本に好意的で、民主党は違うと。しかし、実際は大統領が陣営をどういうスタッフで固めるかによりますし、党自体が日本と中国のどちらを重視するとは決めていません。そういった根拠のない俗説を信じないためにも、本書を手に取ってもらえると嬉しいですね。
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