2024年4月19日(金)

家電口論

2017年1月17日

洗濯機を選ぶ時のポイント

 私の個人サイトのアクセス数で、最も多いのは、巨大容量の洗濯機。共稼ぎが多くなり、土日にまとめて洗濯をしたいというニーズが増えたためだ。また一昔前なら、毛布などは風呂で足踏み洗いだったが、それも家で洗いたいというニーズも出てきている。容量、サイズは大きなポイントだ。

 これに伴い、洗濯物の入れ口はどんどん大きくなっている。同時に、洗濯物を取り出しやすくするために、ドラムの底まで背が低い人でも楽に手が届く設計が主流だ。またコンソールの位置も見直されている。書くと簡単だが、家電サイズは、変更するとなるとハードルがすこぶる高い。メーカーの苦労の成果、是非店頭で体感して欲しい。

 次のポイントは、洗浄力。複雑な水流を、少ない水量で、布が絡まないようにするのかだ。ここは各メーカーの腕の見せ所。あの手、この手を繰り出している。また「服好き」の人には特に、手洗いに相当する「弱洗い」にも注目して欲しい。

こんな少ないスペースでもあると、洗濯物の前処理が可能

 また洗剤を上手く利用するために「お湯」が使えるかどうかも見るべきポイント。同時に動作音の静かさも。湯を効率よく使うとなると、夜にさっさと洗濯するのがイイ。ここで音が大きいと、苦情が来て、静かな夜が騒動の夜になる。

 最後に挙げるポイントは発展性。日本の場合、洗濯機の多くは風呂側の洗面所に置かれている。格好いいようだが、結構これが大変。汚れの酷い襟に液体洗剤をなすり込むスペースすらないこともしばしば。例えば洗濯機トップがフルフラットの場合、そこは一時的な作業場としても使える。これも重要な使い勝手。

 洗濯槽の黒カビ防止機能は、今やちょっとした洗濯機には付いておりますので、強く気にしないでもイイと思う。

注目機種3種

日立のビートウォッシュ、BW-DX110A

 縦型で2機種、ドラム型で1機種、注目機種を挙げておく。

 1つめは日立のビートウォッシュの11kg縦型モデル。BW-DX110A。これは洗剤を溶かすときに「温水ミスト」(最大:5kg)が使える。そしてすすぎ時には「ナイアガラすすぎ」。日本人の、「汚れは(大量の)水に流す」という感覚にズバドンなモデルです。見た目も、今までの延長線上にある洗濯機で、安心して使える。

アクアのスラッシュ、AQW-LV800E

 2つめはアクアのスラッシュ。AQW-LV800E。8kg縦型モデル。開発に時間が掛かるモデルなので一代限りの可能性があるが、これは傑作機と言い切ってしまおう。ドラムを斜めに傾けることにより、水流の複雑さ確保。

 また斜めドラムのため開口部が手前に傾いているため取り出しやすい。しかも縦型では珍しいスマート無比なデザインでありながら、襟に洗剤を塗りつけるスペースがあるなど、使い勝手も確保。残念なのは、お湯洗いの機能がないこと。アクアはハイアール参加であるが、三洋の洗濯機部隊がほぼまるまる参加しており、その技術、品質は信用していい。ちなみに、筆者の愛用機種でもある。

パナソニックのVXシリーズ、NA-VX9700L/R。

 3つめはパナソニックのVXシリーズの11kgドラム型、NA-VX9700L/R。パナソニックは昨年Cuble(キューブル)という、空間演出に優れたモデルを出した。しかし、ドラム型の大きな特長は、そのまま乾燥機としても使えると言うこと。これを多用するとしたら、ヒートポンプ式でないと電気代が掛かって仕様がない。


 Cubleはヒートポンプ型でないので、新型のNA-VX9700L/Rとした。このモデル、「お湯洗い」も付いているし、その他機能も申し分ない。文句を付けるとしたら、やはりCubleに及ばないデザインか。機能に対し、デザインが普通すぎる。
 洗濯には、洗濯機が必要なのだが、それは1つの要素。総合的なアプローチが必要なことがお分かり頂ければと思う。

  
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