2016年12月18日、横浜国際総合競技場でFIFAクラブワールドカップの決勝戦が行われた。かたやクリスティアーノ・ロナウドらを擁するスター軍団のレアル・マドリード(スペイン)。かたや2016シーズンのJリーグを制し、開催国枠として出場権を得た鹿島アントラーズ。
“格”の違いからレアルの楽勝と見る向きも多かったが、2-2の同点で試合は延長に突入。最終的にはレアルが4-2で熱戦を制したものの、鹿島の予想外の善戦に世界は驚いた。
だが、選手の声を拾うと、いかんともしがたい実力差を痛感させられていた。DFの昌子源は試合後、「見ている人は案外できたんじゃないかって思うかもしれないけど、けっこうしんどかった。僕は通用したとは思っていない」と語ったという。別の選手が「段違いでした。かなわないです」と本音をこぼしたのも直に聞いた。
たしかに鹿島はすばらしい試合をし、欧州王者を追いつめた。それが評価すべき事実であることに異論はないが、あえて厳しい表現を使えば、Jリーグはまだ“レアルに善戦”がニュースになるレベルでしかないとも言える。
そもそも、経営体としてのクラブの規模があまりに違う。デロイトが16年1月に発表した「Football Money League 2016」によれば、世界で最も収入の多いクラブ(14-15シーズン)がレアルであり、11年連続でその座を守っている。売上の総計は5億7700万ユーロ(約710億円・以下、すべて1ユーロ=123円で計算)という超ビッグクラブだ。その内訳はチケット収入が1億2980万ユーロ(約160億円)、放映権収入が1億9990万ユーロ(約246億円)、スポンサー・コマーシャル収入が2億4730万ユーロ(約304億円)となっている。
一方、鹿島の売上は43億円あまり(15年度)でレアルの16分の1の規模に過ぎない。年俸総額でも約7億円の鹿島に対してレアルは約291億円という比べようもないほどの差が横たわっている。