2024年4月19日(金)

韓国の「読み方」

2017年2月28日

 当時の現地報道などによると、この賞はかつて、ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相やインドのガンジーに贈られている。彼らと金正恩氏が並ぶのは悪い冗談としか思えないのだが、ラフマワティ理事長は金正恩氏への授賞について「帝国主義の新植民地主義者を相手とした彼の戦いは表彰されるべきだ」と強弁。人権問題などでの批判は「西側のプロパガンダだ」と言い放った。この年の金正恩氏以外の受賞者は、マレーシアのマハティール元首相、ベネズエラのチャベス前大統領、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の3氏だった。

 リポートによると、北朝鮮は2016年には国立インドネシア大学に金正恩氏に関する講座の開設を要請している。マレーシアでは私立大学が金正恩氏に名誉経済学博士号を授与したケースもあるという。どれも政府とは直接の関係がない話ではあるが、やはり違和感は否めない。

 こうした関係が事件によってどんな影響を受けるのか。それを考えると、前回のコラムで取り上げた「事件によって北朝鮮が得られるものと失うもののバランスが悪すぎる」という点に戻ってしまう。北朝鮮がなぜこんな事件を起こしたのかは分からないが、金正恩氏は想定外の反響の大きさに頭を抱えているのではないだろうか。やはり、そう思えて仕方ないのである。

 

  
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