家電口論

2017年6月23日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

これからの日本メーカーの持ち味

 今回のロボホンの技術を紐解いた時、いろいろなモノが見えてくる。一番思うのは『商品≠技術』ということだ。ロボホンは、これまで見てきたように新しい技術が使われている。確かに、小型サーボモーターはスゴいし、コミュニケーションAIの進化もスゴい。

 しかしロボホンが新しいのは『携帯できるコミュニケーション・ロボット』であることだ。そして、全てがその方向で軸ブレしてないことだ。つまり技術として新しいのではなく、商品として新しいのが魅力だ。

 いい商品と言うのは、『ユーザーに沿ったコンセプト』『コンセプトを具現化する設計(デザイン)』『求められる仕様を成し遂げる技術』が、揃って初めて出てくる。起点はコンセプト、つまり人間であり、技術ではない。

 今まで日本は、真似されない技術で勝ち抜いて来たという思いが強い。しかし、今や技術は飽和。海外の技術も高くなり、上市して1年もすれば、似たコピー商品は必ず出てくると言っていい。その時、日本の大手家電メーカーが取った道は、B to B。商品ではなく、1パーツを作り、技術を活かして儲けましょう、もしくは今あるもので必ず買ってくれるモノを作りましょうという道。しかし技術が飽和しつつある今、かなり特殊な技術でないと囲い込むようなことはできなくなってきている。

 日本は起業が少ない。モノの豊富さから言うと、アメリカ、欧州と同じレベルなのだが、彼らは自分のコンセプトを振り回し、どんどん起業してくる。しかし日本は、できない。

 その時重要なのはコンセプトだ。新しい視点でモノを見直し、新しい世界を開く。ロボホンなどはイイ感じだと思う。今、日本の製造業に求められていることは、どんな技術を持っているのかではなく、新しいコンセプトで、新しい商品が出せるかだ。

 デジタル時代となった今、差が付きにくいと言われるが、ロボホンの動きのバランスなどはアナログの世界。今、デジタル化で高級コンポが売れなくなったオーディオを引っ張っているのはヘッドフォン。アナログとデジタルのハイブリッドだ。そう人間によりそう技術はまだまだアナログが主流。これを見直すことにより、日本という文化を持った日本人が頑張れる道は多い。まだまだ日本の製造業は頑張れると思う。

  
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