中村倫也と川口春奈が二重螺旋に絡み合うミステリー

「ハヤブサ消防団」は〝またも〟動画配信で話題になるか

「ハヤブサ消防団」はミステリー作家の三馬太郎（中村倫也）が亡き父の実家がある山村に移住して、消防団員となり連続放火事件の謎に挑む物語である。地域おこしに取り組む立木彩（川口春奈）に迫る危機がDNAの二重螺旋のように絡み合う傑作である。

経済から見た京都像 五つの視点から魅力再発見も

『解剖 京都力』読売新聞大阪本社経済部・編

京都が 多くの人々や文物、そしてお金を引きつけるのはなぜか。独自の取材で その秘密に迫ったのが 本書 『解剖　京都力』 である。大きな特徴は、新聞社の経済部の記者が中心となって、経済取材の視点から 現代の京都を捉え直した点にある 。

大久保利通「冷酷なリアリスト像」を覆す

『大久保利通「知」を結ぶ指導者』瀧井一博氏インタビュー

『大久保利通「知」を結ぶ指導者』（瀧井一博、新潮選書）は、大久保の足跡の詳細な検証から、そのような定説を覆し、帯文によれば「大久保論の決定版」と高い評価を受けた注目の一冊だ（第76回毎日出版文化賞受賞）。

世界を揺るがす〝第３極〟インドの実像に迫る

NHKスペシャル・混迷の世紀シリーズ「台頭する“第3極”インドの衝撃を追うは、人口で中国を抜いたうえに、GDPが2027年には日本とドイツを凌いで世界第3位に躍り出ると推定されているインドの実像に迫るドキュメンタリーの傑作である。

甘味料アスパルテーム〝発がん性〟報道の真の意味

WHO傘下の「国際がん研究機関」と「WHO/FAO合同食品添加物専門家会議」が、ノンシュガー甘味料、昔でいうところの〝人工甘味料〟である「アスパルテーム」の健康影響について公表した。不安に感じた人も多かったかもしれません。どう考えるべきか…

フランス在住筆者が日本に伝える「バカンス」の効能

髙崎順子・著『休暇のマネジメント』書評インタビュー

全国民が年間平均33日の休暇を取得するフランスの「バカンス」。その制度を維持するための国の仕組みを紐解き、日本への示唆を探る。

朝ドラ「らんまん」で可憐な妻を見せる浜辺美波

NHKの連続テレビ小説「らんまん」は、日本の植物学の父といわれる牧野富太郎博士をモデルにしたドラマである。主人公の槙野万太郎役に神木隆之介、その妻の寿恵子（すえこ）役に浜辺美波を配した夫婦愛の物語の傑作である。

「ヤバイ」ではなくすごいコメ コシヒカリ環１号…

コシヒカリ環1号を知っていますか？実は日本のコメが抱える二大問題を解決できるかもしれない品種です。ところが今、「放射線育種米」や「放射線米」などと名付けられ、SNSなどで「ヤバイ」と言われ始めました。科学的に正しい情報を提供します。

日本のSDGｓ 頑張りすぎず、ボチボチやればい…

『カオスなSDGs　グルッと回せばうんこ色』酒井敏氏インタビュー

著者の酒井さんは２年前から静岡県立大学の副学長だが、それ以前は長く京都大学に勤務した。「自由の学風」で知られる京大では「アホなことをせぇ」と逸脱が奨励されたが、新たな任地では教える側も学ぶ側も非常に生真面目。

映画『スーパーマリオ』大ヒットに見る日本の独自性

3Dアニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が世界的な大ヒットとなっている。ゲームやコミックなど世界で日本のコンテンツは世界を席巻している。そうしたヒットを生み出される仕組みを解明したい。

「波よ聞いてくれ」小芝風花のコメディアンヌ〝爆…

「波よ聞いてくれ」は、小芝風花を地元ラジオ局のパーソナリティ役に起用して、コメディアンヌぶりが爆発する喜劇の大傑作である。きょう９日の最終回を控えてシーズン２を心待ちしたい。深夜帯が久々に放った人気ドラマである。

『エスニック国道３５４号線』の謎を探る

『北関東の異界　エスニック国道３５４号線　 絶品メシとリアル日本』室橋裕和さんインタビュー

室橋裕和さんの『北関東の異界　エスニック国道354号線　絶品メシとリアル日本』（新潮社）は、この国道沿線に外国人居住地が多いことから、「将来の多文化共生の日本社会の縮図」と捉え、「エスニック国道」と名付けて丹念に実情報告した作品だ。

万人の心の片隅にある「記憶の断片」を巡る物語

稲泉連・著『サーカスの子』書評

著者の稲泉連さんの母は、作家・久田恵さんである。稲泉さんが３歳の時、母子家庭となった久田さんは１年後、キグレサーカスの配膳係として母子で１年半を過ごす。各地を転々としながらサーカス団と暮らした頃の記憶のかけらが、執筆の源となった。

女性心理描く脚本家と女優陣の演技「日曜の夜ぐら…

清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠と岡田恵和の相乗効果

「日曜の夜ぐらいは」は、女性の心理を描いては当代屈指の脚本家・岡田惠和による孤独な女性が友情をはぐくんでいくドラマである。若手女優のトップクラスの清野菜名、岸井ゆきのと生見愛瑠が起用にこたえている。女性ドラマの傑作である。

天才子役光る！奇想天外ミステリー「Dr.チョコ…

「Dr.チョコレート」（日本テレビ）は、天才子役・白山乃愛が10歳でありながら、難手術をこなしていく奇想天外なミステリーである。ドラマにもジャンルがある。刑事モノ、検察モノ、恋愛モノ……「Dr.」はどのジャンルにも属さないサスペンスの傑作…

GW後半に読みたい人生・仕事の「リセット本」

大型連休が早くも後半に突入した。家族サービスや戸外でのアクティビティも一段落し、連休後半戦でじっくりと本を読みたくなった方に向けに、いま手軽に読んでおきたい様々な「リセット本」３冊をご紹介する。

「教場」シリーズでキムタクが見せる現代の指導者像

鍛えられる赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太

「風間公親　―教場０－」（フジテレビ毎週月曜よる9時）は、木村拓哉（以下・敬称略）主演のヒットドラマの連ドラ化である。捜査一課の指導官として捜査能力の高い刑事を養成する指導官役で、「知識社会」の人材の養成術が見て取れる。

どの都道府県にも一冊は欲しくなる本

矢野寛治『わが故郷のキネマと文学』インタビュー

『わが故郷のキネマと文学』（弦書房）は大分県出身の矢野寛治さんが、大分県を舞台にした文学・映画について書いた新聞連載のコラム１９２本を基盤としている。

〝安い日本〟30年から脱出の道探るドキュメンタ…

NHKスペシャル「ジャパン・リバイバル　“安い30年”脱却への道」（4月2日）は、〝安いニッポン〟のカゲで外国資本や人材を入れて変わろうとしている企業に光を当てた。

最前線は“南”にあり、香港・台湾問題の源流とは？

『越境の中国史　南からみた衝突と融合の三〇〇年』著者インタビュー

本書の帯文に、「最前線は“南”にあり。香港・台湾問題の源流」とある。つまり、今の中国を理解するには華南（南中国）の歴史を振り返る必要がある。多動性・流動性に溢れた近代300年の華南の姿から中国社会を考察してみよう、というのだ。