2024年4月16日(火)

オトナの教養 週末の一冊

2023年7月8日

 7月。夏の到来に蒸し暑さを感じながら通勤・通学する人の流れ。この日本人の変わらぬ日常とは一転、フランス人にとって今の同時期は特別な意味を持つ――。「バカンス」のシーズンだ。

(Esther Pueyo/gettyimages)

 フランスでは労働法で年間最短5週間の有給休暇の取得が定められ、国民の年間平均取得日数は33日。その大半は7月8月の2カ月間に集中し、多くの国民が代わる代わる数週間の長期休暇を消化し、旅行に繰り出す。当然ながら都市からは人が激減し、ビジネスも役所の手続きも何もかもが停滞するという。

「それで、どうやって仕事が回っているの?」「それだけ休んで、経済が悪くならないの?」

 「バカンス」に対して多くの日本人が感じるこれらの疑問に正面から答えるのが、今年5月に上梓された『休暇のマネジメント―28連休を実現するための仕組みと働き方―』(KADOKAWA)だ。著者である髙崎順子さんは、パリ在住歴23年。フランス人の夫を持ち、ライターとしての執筆業と並行して、現地で2人の子どもを育てる母でもある。

 「フランスでは、『よく働き続けるには、まとまった期間を休む必要がある』との認識が社会全体で共有されています。ただ、日本で生まれ過ごした私にとって、最初はその感覚が持てず、不安や疑問の方が大きかった。『数週間も仕事を休んで大丈夫なの?』『なんで祝日のようにこまめに休むのじゃダメなの?』って。そこで、自分自身でも体験してみようと思ったんです」


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