2024年4月20日(土)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年8月1日

じつは“夏バテ”という現象がみられる国はそれほど多くない。
赤道直下や南極・北極ではありえない。
温帯地域の中でも、湿度が高い日本のような国に限ってみられる特殊な現象のようだ。
仕事にしろレジャーにしろ、夏をしっかりと乗り切るビジネスパーソンこそが、勝利を手にする。
鰻丼やニンニク料理で夏バテを克服しようとしているアナタ!
本当にだいじょうぶ?

(runin/suntakafk/iStock / Getty Images Plus)

食欲不振による夏場の慢性疲労

まず“夏バテ”の定義をしなくてはならないだろう。
「バテる」というのは、明確な原因がないのに疲労がたまる状態で、医学用語でいえば慢性疲労。
夏場の慢性疲労を、一般的に“夏バテ”といっている。

原因は明確ではないのだが、食欲不振による栄養素不足・寝苦しさからくる睡眠不足・体温上昇による運動不足等々があげられている。
健康の三要素である「栄養・運動・睡眠」の3つともが傷害されるので、体調に支障をきたすのは理解できる。
ただしこれらは、住環境や食環境が整っていない昔の話であり、栄養的に豊かになり、エアコンなどが整備された現代日本には当てはまらないのではないかという指摘も(あることは)ある。

ここでは「食事」で夏バテを防いだり軽くしたりする方法を考えてみたい。
栄養学的には、夏バテはエネルギー不足と考えられ、次のような理論が成り立つ。

さまざまな栄養素の中でエネルギー源となるのは、糖質・脂質・たんぱく質の3つ。
それゆえ、この3栄養素を「三大栄養素」という(しかし、エネルギー源となるだけで「三大」というのはいかがなものか、という理由で最近ではこの3つを「熱量供給栄養素」というようになった)。

この3栄養素の中でも「最も効率的にエネルギー源となる」のは糖質。
糖質をたくさん含む食べ物は、ご飯・パン・麺など、いわゆる主食と呼ばれている食べ物。
この糖質を、体内でエネルギーに変換するときに必要なのがビタミンB1。
ビタミンB1はエネルギーを作り出すビタミンなので、別名「スタミナのビタミン」とも呼ばれている。

ビタミンB1を多く含む食材といえば、まずは豚肉、精白してない米や小麦、レバー、種実類などがあげられる。
ウナギにも多い。


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