10月16日、ライトハイザーUSTR(アメリカ合衆国通商)代表は、上下両院の与野党トップ4名に宛てて、それぞれ書簡を発出し、日米貿易交渉の開始に関して通達した。その書簡の主要点を紹介する。
・2015年の超党派議会貿易優先権説明責任法(以下TPA法)105条に基づき、大統領から与えられた権限で、私(USTR代表)は、大統領が日米貿易協定に関する交渉を始めることと議会に通知する。交渉立場が、TPA法102条の議会権限と目的に適合しているかについて、我々は議会と密接に協議する。この通知から90日以後、実施可能な早い時期に、我々は日本との交渉を始める予定である。
・米国は、日本との貿易及び投資機会を向上させることによって、国内におけるより高賃金の雇用と米国経済の成長を支援する。我々の交渉目的は、議会がTPA法102条で設定した目的と適合させる。
・米国と日本はそれぞれ世界第1と第3の経済大国で、両者で世界のGDPの3割を占める。日本は、重要だが、米国製品の輸出業者にとって未だ不十分な市場である。2017年、日本は米国製品輸出の第4番目の市場で、676憶ドルを記録した。同様に2017年、日本は米国農産物の第4の輸出市場で、120憶ドルに達した。にもかかわらず、米国の主要輸出産業、自動車、農業、サービス等は、何十年も関税や非関税障壁の挑戦を受け、それが日米の慢性的貿易不均衡を生んだ。実際日本との物品貿易赤字は、2017年に689億ドルで、ほとんど前年と変わらない。9月26日の日米首脳共同声明に明記されたように、両国は、日米間の貿易・投資を拡大させたい。そして日米は、強固で安定的、相互利益的な貿易・経済関係の重要性を認識している。
・我々の日本との交渉目的は、TPA法102条の目的に沿う形で、関税及び非関税障壁を協議し、より公平でより均衡のとれた貿易に至ることである。我々は議会と密接に協力して行くことを約束する。我々は、交渉が、米国の消費者、財界、農家、畜産業者、労働者にとってタイムリーかつ実質的結果を生むよう決着させる。
参考:Robert E. Lighthizer‘’October 16, 2018