“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年2月20日

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――日本代表の目標であるベスト8に進出するためには?

村田:最初の山場はなんといっても第2戦のアイルランド戦です。ベスト8を果たすためにはこのチームを越えなければ実現しません。それに今回は開催国というプレッシャーもあって、その大きさは計り知れません。それだけリーダーの役割が大きいということですが、選手にとってそんなプレッシャーは人生で2度とありませんから、楽しむくらいの気持ちで臨んでほしいと思います。

 また、今回の日本代表は前回とは違って警戒される存在になっています。ということは研究されて、手の内を知られているということですから、お互いに情報戦になるでしょうね。それを制していかなければなりません。

 そのうえで選ばれたメンバーと出場しないメンバーやスタッフが一つになることが大切です。特に出場しないメンバーの支えという役割は大きいでしょう。

――日本代表以外の注目のチームを教えてください?

村田:誰でも言うことですが、優勝候補のニュージーランド・オールブラックスです。あとは南アフリカ、オーストラリアの南半球勢とイングランド、フランス、アイルランドなどのヨーロッパのチームですね。

 個人的にはフランスの試合がお勧めです。シャンパンラグビーと呼ばれた昔とは違いますが、それでも独特の雰囲気を持っていますし、パスやキックを巧に使って見ていて楽しい試合になるはずです。

 それぞれのチームには伝統があり、形を変えつつもそれを引き継いでいまに至っています。そうした違いを知ることも楽しみ方のひとつだと思います。

――ずばり、ラグビーの魅力を教えてください。

村田:ボールを持ったらタックルされるまでは自由に走れ、自由に動けるということです。他の競技に比べて自由度が圧倒的に高いところが魅力です。

 また、ラグビーらしいということでは、身体のぶつかり合いがあることです。100kgを優に超える選手と小柄な選手のぶつかり合いもありますし、その小さな選手が大きな選手の足元に入って倒すことができます。

 ルールは相手陣のゴールラインにボールをつければ得点というシンプルなものです。ラグビーには多様なポジションがあり無差別級のボールを使った格闘技と言えるでしょう。

 子どもたちにとってはボールを追いかける格闘技的な鬼ごっこといったところでしょうか。

 小さい選手から大きな選手まで、また力の強い選手からスピードや俊敏性のある選手まで、適材適所でそれぞれに役割が異なるのもラグビーの魅力です。

――最後に現在のラグビーとの関り方を教えてください。

村田:現役を引退後、7人制の日本代表監督を4年間務め、リオ・オリンピックを目指して日本代表を強化している過程で、母校の専修大学から監督として強い要請がありましたので母校に戻り、7年が経ったところです。オリンピックが終わったあとに戻ろうと思っていたのですが、2部に低迷して10年が経っていましたので引き受けることにしました。

専修大カラーのだるまには「大願成就 大学選手権優勝」

 現在はシーズンオフの期間に大学のある伊勢原市の小学校を回ってタグラグビーの指導を行っています。フランスでは当たり前のようにトップ選手たちが子どもたちに指導していたので、日本でも小学校を回って指導したいと思い、校長会で体験していただいて、最初は3校くらいからスタートして今では10校に増えました。

 私は6歳からラグビーをはじめ現在50歳です。ラグビーを通して人間形成をおこなってきました。ONE FOR ALLの精神を学び、仲間がいるからこそできるんだ。だから仲間を大切にするんだということを学んできました。

 身体の大きい子も走るが速い子も、みんなでボールを回してトライまでの過程を作っていく。だからラグビーはトライを取った人がヒーローではなく、みんながヒーローという競技です。

 また勝っても負けても、相手を讃え、エールを贈る競技です。それはファンも同じように相手チームのナイスプレーには惜しみない拍手を贈りますし、ファン同士も尊重し合っています。日本人も外国人も関係なく讃え合う競技がラグビーです。

 私は小学校を回って、地域や社会への貢献活動を通してラグビーの魅力を伝えていきたいと考えています。

<村田亙オフィシャルウェブサイト>
http://www.wata888.net/


  
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