2022年8月10日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年3月15日

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 結果はどうであれ、ベトナムで米朝首脳会談を開催したのには、それなりの意義があった。トランプ大統領も指摘したように、ベトナムは、北朝鮮にとって、モデルになる国である。米国とベトナム戦争という激しい戦いを繰り広げながらも、1995年には国交を正常化し、現在は、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中でも経済成長している優等生である。トランプ大統領は、金正恩委員長に、非核化をきちんとすれば、ベトナムのように経済発展できると促した。

 上記のファクト・シートでは、貿易取引のことばかりが語られているが、米越首脳間では別の議題も取り上げられた。ポンペオ米国務長官は、自らのツイッターで、「トランプ大統領とチョン書記長は、北朝鮮の最終的、完全かつ検証された非核化、自由で開かれたインド太平洋及びより強固な米越の包括的連携に向けて、継続した前進の必要性を確認した。」と述べている。従って、安全保障を含む様々な議題がテーブルに上ったことになる。おそらく、南シナ海問題や中国についても触れたに違いない。

 かつての米国の敵、ベトナムは、今や重要な米国のパートナーとなっている。そういえば、2017年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議は、ベトナムの保養地ダノンで開催され、トランプ大統領は、インド太平洋地域の平和と安定について素晴らしい演説をした。
 

  
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