Wedge REPORT

2019年7月1日

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スーパーラグビーから除外されたサンウルブズ

 特にW杯後のビジョンは極めて不透明で、とにかく暗い話題ばかり。その筆頭が日本を本拠地とするサンウルブズが直面している問題だ。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンなどの強豪チームも参戦してしのぎを削る南半球最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」の主催者側からサンウルブズが2021年以降、大会への参戦を除外されることが決まったのである。

 もともとサンウルブズは自国開催となる今年のW杯を見据え、日本代表のメンバーに世界の強豪との戦いを数多く経験させる目的で2016年からのSR参戦を前提に結成。しかしチームの遠征費など莫大な経費がかかるサンウルブズの存続に一部の日本ラグビー協会幹部が結成当初から余りいい顔を見せておらず、最終的には彼ら存続反対派の存在がSRの主催者側との意見の相違を招き、21年以降の継続参戦が「破談」へとつながってしまったようである。

 その舞台裏について事情通は、次のように打ち明けた。

 「いわゆる存続反対派の協会幹部たちの言い分としてはSRの主催者側から約10億円もの法外な巨額拠出金を要求され、自分たち協会側もさすがに首を縦に振れなくなったそうだ。しかし実際のところでは、1年近く前の昨年春から協会はSRの主催者側からサンウルブズの2021年以降の継続参戦に関し、大会の大口スポンサーの紹介で拠出金を極力抑える案などかなりライトな形の常識的な妥協案も提示されていた。

 にもかかわらず堅物な協会幹部が『カネも面倒もかかるサンウルブズはどうせW杯日本大会が終われば無用の長物だから』などと裏で堂々と言い放つなど、SR側との交渉には最初から消極的でまともに話し合いをしようとしなかった。これにはSRの主催者側も『日本はサンウルブズをまったくサポートしようとしていない』と印象付け、心底呆れていたと聞いている」

 SRから「NO」を突きつけられ、代替案として日本ラグビー協会が〝頼みの綱〟と考えていた策もなくなってしまった。国際統括団体ワールドラグビーが2022年からのスタートで構想していた新たな国際大会「ネーションズ選手権」が結局実現しないことになり、日本代表のメンバーたちは強豪との戦いでレベルアップを図る場を失ってしまったのである。

 こんなゴタゴタ続きで日本ラグビー界は本当に大丈夫なのだろうか。日本ラグビー協会は29日に森重隆氏が新会長に就いて新体制で刷新を図った。W杯日本大会開幕まで残り3カ月を切る中、異例の新人事だが、先の見えない船出は前途多難だ。

 何とか今回のコカイン騒動を乗り切ってW杯日本大会を成功に導いても、サンウルブズの行く末と日本代表の強化プランは未だ具体性が出てこない。行動力の高さに定評のある森新会長が未だ旧態依然としている日本ラグビー協会に風穴を開け、改革を進められるかが好転へのキーポイントとなりそうだ。

  
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