2022年11月27日(日)

WEDGE REPORT

2019年11月23日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

譲歩、配慮など通用せず? 

 このように、安倍首相と北朝鮮によるキャッチボールの経過を振り返ってみれば、投げる方、受ける方の息が必ずしも合っていたと言い難いことが明らかだろう。そうしたなかで、非難決議共同提出見送りがいまさらどんな効果をあげるというのだろう。

 首脳会談は実現せず、被害者も帰らず、日本が北朝鮮に譲歩したという実績だけが残ることにならないか。

 北朝鮮だけでなく、これまで共同歩調をとってきたEUはじめ各国がどんな反応を示すか。日本の事情に一定の理解を示すとしても、成算のない配慮など尊敬を勝ち取ることはできまい。

 日朝の水面下での接触はなお続いているとして注視するむきもある。それが成功し、筆者の悲観的な見方が外れ、被害者解放への糸口が開けた場合、それこそ慶賀に堪えないというべきだろう。

 首相は2019年9月16日、拉致被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」に出席した際、こうあいさつした。 「皆様がこの日本の地で、ご家族を抱きしめる日がくるまで、私の使命は終わらない」ー。

 首脳会談のための首脳会談であってはならず、会談が実現した場合でも、1人2人の帰国で成果を誇るのではなく、首相自身の言葉通り、被害者全員を即時帰国させなければならない。

 安易な配慮な妥協をしていては、その実現はおぼつかないだろう。

  
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