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2020年1月22日

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 「地方創生が始まってから、自治体間の人口の奪い合いが激化した。子育て支援など街の魅力を高める施策を行ってきたが、結局は財政力や都心へのアクセスで有利なところに人が流れてしまう。もはや地方創生疲れになっている」(ある自治体の担当者)

 2014年11月に「まち・ひと・しごと創生法」が成立し、翌年から「地方創生」が始まった。国は60年に約8700万人になると推計される人口減少に歯止めをかけ、1億人程度を確保するという人口ビジョンを掲げ、それを実現するための総合戦略を策定した。そして、全市町村にも、国の戦略を勘案して人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するよう努力義務を課した。そこで始まったのが、自治体間での人口の奪い合いだ。

2014年に東京都23区で唯一「消滅可能性都市」と指摘された豊島区は、公園のリニューアルなど子育て世帯に優しい施策を進めている。
(NATSUKI SAKAI/AFLO)

奪い取る地域を明言
熾烈を極める人口争奪戦

 荒川を挟んで東京都に隣接する人口約14万人の埼玉県戸田市。同市は庁内にシンクタンク「戸田市政策研究所」を抱え、かねてから定住人口の獲得を目指したシティセールスに関する研究を進めてきた。同市の取り組みとして特徴的なのが、シティセールスのターゲットエリア、つまり人口を奪う地区を、隣接する東京都板橋区、北区と明確に定め、市の戦略として明記していることだ。

 16年10月からは、住宅購入を検討している子育て世帯にターゲットを絞り、市のプロモーション広告を打っている。グーグルやヤフーの検索サイトから、都内や近隣自治体に住む20~40代で、かつ不動産を検索しているユーザーを選定し、戸田市への転入を促進するバナー広告を掲出している。これにより、戸田市の移住関連サイトへのアクセス数は、バナー広告掲出後1カ月で月間453PVから7512PVへと約17倍に増加した。

 戸田市政策秘書室主幹の江口護氏は、「戸田市には特に有名な観光名所があるわけでもないため、都内よりも安い住宅価格や充実した教育環境、交通の利便性など、戸田市での住みやすさを都内の子育て世帯にアピールすることで移住を促している」と狙いを語る。この5年間でターゲットとする板橋区、北区から約1400人の転入超過となり、市の全人口も5年間で1万人以上増えている。

 市の魅力を発信し、人口を増加させられたことは、戸田市にとっては大きな成果だ。しかし、勝者の裏には敗者ありで、その分だけ人口が減少した自治体があるということでもある。日本全体で人口減少をいかに食い止めるかという課題に対して、単なる人口の奪い合いで終わってしまっては意味がない。しかし、現状としては、こうした競争が各地で繰り広げられている。

 つくばエクスプレスで都心から約20分の千葉県流山市も近隣自治体からの人口獲得に成功している。ここ数年は、毎年4000~5000人のペースで人口が増え、18年には転入超過数が政令指定都市を除けば全国1位となった。同市は自治体で全国初となるマーケティング課を設置して5人中3人を民間経験者から採用し、30~40代前半の共働き世代をターゲットに据えた住民誘致のプロモーション活動に注力している。

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