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2020年2月13日

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馬場未織 (ばば・みおり)

二拠点居住ライター

日本女子大学大学院修了後、建築設計事務所勤務を経て建築ライターに。2007年から平日は東京、週末は千葉県南房総市の里山の二地域で居住する。田舎暮らしなどをテーマに執筆活動を展開。南房総の里山と都市に暮らす人をつなぐNPO法人南房総リパブリックの理事長も務める。著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

 世間では日々さまざまなニュースが飛び交い、未来への不安や希望が綾織りになって伝えられる中、「それもそうだけど、今は我が子の未来が心配で頭がいっぱい!」という人も少なくないのがこの季節だろう。まさに受験シーズン真っ只中だ。

(Pornpak Khunatorn / gettyimages)

 斯く言う筆者も、渦中にいる。高校受験中の長女が家にのさばっているのだ。受験生のくせに7時間睡眠、そして1日に3回くらい「ねえママ5分したら起こして…」と言い残して仮眠する。そして5分で起きた試しがない。絵に描いたような現実逃避だ。

 思えば昨年の今頃は、センター試験後の息子が「ワンチャンいけるかも」「駄目だシブすぎる」と毎日揺れていた。そして来年はおそらく、次女が中学受験などしているだろう。こないだ、「行きたい中学がある」と申告してきたからだ。勉強ゼロからのスタート。どうなることか。

 親は究極的には特にしてやれることがない。どんなにかわいくてもこどもの人生は自分の人生ではなく、生涯添い遂げる相手でもない。彼らが自分の足で立って歩き出すプロセスを、息を詰めて見守るだけだ。赤ちゃんの頃からやれることはほぼ一緒である。

 それでも何かと気を揉んでしまう。成績が下がったと聞けば「なんでもっと前からやらなかったの?」とまったく益を生まない言葉を投げかけたくなる。勝負には勝て!と叱咤激励したくなる。感情が理性を超える瞬間だ。それだけこどもが愛しいのだと、自分に言い訳しながら。

 本人が受験という短期目標へと突っ走るこの時期だからこそ、ごく近くでその成長を支える親は、「こどもはなぜ走り、親はなぜ走って欲しいと願うのか」という根本的な問いを確認したい。それは、受験に限らず日々の成長において、こどもが充分にバネを効かせて飛べるようにするための地盤づくりにもなる。

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