2024年11月22日(金)

【中学受験】成功を導く父親の役割

2020年3月27日

中学生になったからといって、いきなり目を離すのはNG

 中学生になったら、自分で考え、計画的に勉強を進めていかなければなりません。今までは親が決めた計画に沿って、受験勉強をしてきました。でも、これからは自分で決めていかなければならないのです。

 そう言うと、「では、もう一切口を出さない方がいいのだな」と思う親御さんがいます。でも、いきなり手を離すのはよくありません。親がアドバイスをしながら、子どもがスケジュールを作り、やってみて、その結果を振り返り・・・・・・をしばらく続ける必要があります。それがこの3月からの半年間です。

 中学生になったら、これまでのようにつきっきりで勉強を見る必要はありません。まずは子ども自身にやらせてみましょう。そこで困っているようなら、何に困っているか聞いてあげてください。例えば、定期テストの勉強のやり方が分からないなら、「お父さんが中学生の時は、英単語はこんなふうに覚えていたよ」と教えてあげるといいでしょう。ここでポイントとなるのは、勉強のスケジューリングには、「いつ」「何を」「どのように」という3つの要素が大切だということをそれとなく伝えることです。でも、押しつけにならないように注意してください。それを参考にするか、しないかは子ども次第。そうやって、少しずつ自分で考えて行動するように背中を押してあげましょう。

中学校生活を充実させるには、
夏までに学習スタイルを整えること

 中学校に入学すると、最初にあるのが1学期の中間試験です。授業が始まって間もなく実施されるため、それほど難しい問題は出ません。中学受験が終わった開放感から、あまり勉強をしなかったとしても、中学受験で蓄えた学力の貯蓄で高得点をとってしまう子もいます。すると、「なんだ、中学の勉強なんてこの程度か」と甘く見て、努力をしなくなります。しかし、2学期の定期テストになると、新しい内容がどんどん入って来るので、日ごろから家で勉強をしていないと、ガクッと成績が落ちてしまうのです。

 また、自分なりに勉強をしてきたけれど、成績が伸び悩んでしまう子もいます。そういう場合、今の勉強のやり方が間違っていることが考えられます。例えば算数とから数学の違いがへ変わったところの理解ができていなかったり、英語の単語の覚え方が分からなかったりと、何かしらの原因が考えられます。そういう時は、親御さんも一緒になって考えてあげましょう。特に数学や英語のように中学から始まる教科については、はじめの段階で苦手にしないことが大事です。

 いきなりひどい成績を取ってきて、慌てて塾に入れてしまう親御さんは少なくありませんが、中1の段階で塾に入れてしまうのは、あまりおすすめしません。なぜなら、この痛い経験が、自ら立て直す力をつける絶好のチャンスだからです。中学の最初で思うような成績が取れないと焦ったり、投げやりになったりしてしまいがちですが、そういう時こそ、どのようにすればうまくいくのかを考えさせましょう。自分で気づけば一番いいのですが、分からなければ親御さんも一緒になって考えてあげてください。そうやって、自分で修正できるようになると、成績は上がっていきます。

 中学受験では親のサポートが必要でしたが、大学受験は自分の力だけで挑戦しなければなりません。そのためには、中学生になったら少しずつ自分で考え、試行錯誤しながら自ら伸ばしていく経験を積ませてあげましょう。中学受験では、多くの親御さんは伴走者だったと思いますが、これからは少し距離を置いて、見守るスタンスに変えていきましょう。

(構成・石渡真由美)

  
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