この熱き人々

2020年5月25日

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吉永みち子 (よしながみちこ)

1950年、埼玉県生まれ。85年、『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞。著書に『母と娘の40年戦争』(集英社文庫)、『怖いもの知らずの女たち』(山と溪谷社)、『試練は女のダイヤモンド』(ウェッジ)などがある。

◉じゅじゅ:2004年、「光の中へ」でメジャーデビュー。06年の「奇跡を望むなら...」で注目される。以降数々のヒットを飛ばし、映画・ドラマとのタイアップも多数。今年4月にベストアルバム「YOUR STORY」をリリースし、9月から全国アリーナツアーを予定している。

 JUJUのライブには必ず行くというファンが多い。思い切り背中を押してくれるから。涙が出るほど温かさを感じるから。言葉がしみじみ伝わってくるから。さまざまな答えが返ってくるけれど、共通するのは「何かやさしいんだよね」という言葉。

 

 雰囲気や笑顔や寄り添いますの連発で伝えるやさしさもあるが、JUJUの場合はいささか違う。どっちかというとぶっきらぼうだし、時には不機嫌なのかと思う人もいるかもしれない。しかし、ひとたびその歌声が会場に流れると、その空間がいつのまにかやさしさに包まれているという感じなのである。そして人はそんなやさしい時を求めてリピーターになっていく。

 「ひとつひとつの曲に込められた物語を、聴いてくれるみなさんに届ける語り部でありたい。それが私にとって歌うことなんです。この16年間、自分が感じたことのない思いは歌わないと決めてきたし、歌ってきたのはきっと誰もが感じたことのあることだと思う。だから私が歌っていても、まるで自分が歌っているような感覚に陥ってもらえるのかも」

 そういえばJUJUは、映画やテレビドラマの主題歌が多いことでも知られている。「余命1ヶ月の花嫁」「麒麟の翼」「祈りの幕が下りる時」など、物語を包み込んだしっとりした歌唱が見事なまでに作品と合体して記憶に残っている。ダンサブルな新曲「STAIN’ALIVE」は3月まで放送されていたドラマ「トップナイフ─天才脳外科医の条件─」の主題歌で、失敗もスパイスにしてみせる、未来よかかってこいと歌う、競争社会に疲れ気味の人たちへの究極のアッパーソング。

ベストアルバム「YOUR STORY」
(ソニー・ミュージックレーベルズ)

 デビュー16年目の今春、歌手JUJUの代表曲やファンからのリクエストの多い曲、そして新曲までを網羅した4枚組52曲のベストアルバムが発売された。4枚はそれぞれ、シアター・レッド、シアター・パープル、シアター・ピンク、シアター・ブルーと名づけられ、アルバムのタイトルは「YOUR STORY」。

 「レッドは恋愛を超えた大きな愛。パープルはままならない愛、一筋縄ではいかない愛。ピンクはすべての愛の始まり。ウキウキ、ワクワク、キュンキュンに溢れている。ブルーは地に足を着けて生きる女性への応援歌。それぞれのテーマに沿った物語を詰め込んだ4つのシアターという構成になっていて、たとえば今日は赤のシアターに行こうかなって感じで聴いてもらえるとうれしい」

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