2023年1月27日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年8月27日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

「ハリス潰し」

 加えて、トランプ大統領は指名受諾演説で「ハリス潰し」を行います。ハリス潰しには、少なくとも3つのメリットがあります。

 第1に、トランプ氏は昨年6月に開催された1回目の民主党テレビ討論会でハリス氏がバイデン氏に対して人種問題で侮辱したと主張します。バイデン陣営を仲たがいさせるのです。

 第2に、ハリス氏に極左のレッテルを貼ります。これに関しては以前説明しましたが、共和党の「隠れバイデン」票が左派に流れるのを抑制する効果があります。共和党保守本流の「隠れバイデン」支持者は極左にアレルギーがあるからです。

 第3に、黒人のハリス氏への攻撃は、トランプ氏の支持基盤である白人至上主義者を鼓舞します。

 もちろん、トランプ氏はバイデン氏への攻撃の手を緩めることは決してしません。「バイデンが大統領に就任すれば米国は滅びる」「バイデンが選挙に勝てば、中国が米国を所有する」「米国を社会主義にはさせない」など、否定的で恐怖心を煽る演説をするでしょう。結局、トランプ氏の指名受諾演説は、米国民に希望及び夢を語る演説とはほど遠いものになる公算が高いといえます。

  
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