Wedge REPORT

2020年9月26日

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 安眠枕や睡眠音楽、休眠ウエア―。「寝る」という行為の質を上げる商品は数多く店頭に並んでいる。「睡眠負債」という言葉が流行するほど、睡眠は心身の健康や子どもの発育、ストレス軽減と、人々の生活へ密接に関わる。そんな中、「寝室の空気」に焦点を当てているのが千葉県松戸市にある建築会社「早稲田ハウス」だ。「寝る空間を自然に」と語る金光容徳社長に話を聞いた。

(Nutthaseth Vanchaichana/gettyimages)

 見た目は一般的な寝室と同じようだが、足を踏み入れると多くの違いが五感で感じられる。木の香りが漂い、肺に入る空気は澄む。自然な湿度管理によって夏は身体をひんやりさせ、冬は温かみを与える。「森のように深呼吸したくなる空気を目指しました」。金光社長は強調する。

 床は宮崎県産の天然オビスギを敷き詰め、壁には調湿効果がある珪藻土を使う。珪藻土は湿度をコントロールできることから家屋の壁によく使われるが、多くは接着剤を入れるなどで含有率は20%ほど。それに対して、同社のものは特殊な技術によって90%まで引き上げさせている。国産アカマツの炭を含んだ塗料を部屋全体に塗り込み、天然抗酸化水溶液をこれまた部屋全体に吹きつけている。

 同社は、不動産仲介会社に勤務していた金光社長が1977年7月に創業。「帰りたくなる家」をコンセプトに新築住宅の設計・建築を手掛けていた。30周年を迎えた2007年、自社のオリジナル商品を提供しようと考え、「快適な住宅に健康は不可欠」ということから「健康住宅」という新たな住まいづくりへとまい進することにした。

 そこで目にしたのが「アトピーが住宅で治った」というニュースだった。「住むだけでアトピーが治る?」。早速、それを果たしたという千葉県内の建築会社に話を聞きに行った。

 手法は室内空気をきれいにすることだった。「内装は全て天然木材」「庭に炭120キロを埋める」といったノウハウを実践。それをブラッシュアップしていき、「睡眠の質を上げる」という寝室に注力し、今の形となっている。「分かってもらえなくてやめたくなることが何度もあった。けど、家を買ってくれた人が『身体が良くなった』と涙ながらに語ってくれる姿を見ると、糧になった」と金光社長は振り返る。

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