From LA

2021年4月22日

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(Massimo Giachetti/gettyimages)

 スニーカー販売大手であるスポーツ用品メーカー、ナイキが大胆な試みを開始する。「ナイキ・リファービッシュド」と名付けられた、ユーズドの製品をクリーニングして店舗で販売しよう、というものだ。

 ナイキは言うまでもなくこれまでエアー・ジョーダンを始め、様々なスニーカーのヒット商品を生み出してきた。中にはプレミアがついて高値で取引され、ユーズドであっても定価より高く売れているものもある。つまり人気モデルであればユーズドでも十分に商品価値がある。

 今回の試みはナイキ独自の環境政策、「Move to Zero」(CO2排出ゼロへ)の一環だ。4月13日から米国内の15店舗で開始となった。ナイキでは使用していないスニーカーを店舗に返却するよう顧客に呼びかけており、集められたスニーカーはナイキ社内で徹底的に洗浄される。

 商品としては、洗浄後の状態によって「新品同様」「やや使用感あり」「見た目にやや難あり」の3つのグレードが設定される。これ以下のものは寄付あるいはリサイクルに回されるという。ナイキでは「使わないものを他の人に使用してもらうことで、スニーカー全体の寿命を伸ばし、廃棄を減らす」という目的を掲げている。

 ただし販売に回される商品は購入から60日以内に何らかの理由で返却されたものに限られ、はき古しのものは主にリサイクルとなる。購入したがサイズが合わなかった、履いてみたら足に合わなかった、など特にオンライン販売では返品されることが多い。こうした靴はこれまで廃棄処分となったりアウトレット販売となっていたが、独自基準の洗浄、場合によっては修理を行うことで、店頭販売に回す、という道が拓けたのだ。

 電化製品ではこうしたリファービッシュはごく普通で、大手電化製品販売店のベストバイなどではリファービッシュやオープンボックス、というカテゴリーで返品されたり初期不具合が見つかり修理されたものを定価よりも安く販売している。

 もちろん衣料品でもアウトレットでは売れ残りや軽い傷のあるものなどを販売しているし、こうしたB級品を専門に扱う店もある。しかし今回、ナイキという大手ブランドがリファービッシュと説明した上で店舗販売に踏み切った、というのはやはり大きなニュースだろう。

 日本でもメルカリのようなアプリを使ってセカンドハンド製品を売買する動きが活発だが、米国ではセカンドハンド製品の市場は2024年には640億ドルに達する、という見込みもある。ThredUpというレポートによると、この数字はいわゆるファストファッション全体の売上を上回る、という。

 フォーエバー21の経営破綻が話題になったように、今のジェネレーションZと呼ばれる若者世代は「安かろう悪かろう」という製品に懐疑的だ。エコ志向が強いとされる層でもあり、こうした大量生産大量販売で消費されていくファストファッションがゴミの増大に関係している、ということに批判的なのだ。この世代では4割以上がセカンドハンド製品を購入したことがある、と答えており、ジェネレーションZよりひとつ上の世代であるミレニアル世代でも3割がセカンドハンド製品を購入している。

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