2022年10月2日(日)

ニュースから学ぶ人口学

2021年12月24日

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 去る11月30日に総務省は2020年10月に行われた国勢調査の確定値を発表した。それによると、総人口は15年に引き続き減少が続いているが、外国人人口は15年の191万人から275万人へと43.6%と大きく増加していた。

(kzenon/gettyimages)

 12月1日の新聞各紙はいずれも総務省の発表を取り上げたが、人口減少が続いていることはもはや「ニュース」ではなくなったようである。一般に記事の扱いは大きくなく、多くが衆議院小選挙区の定数再配分に関する記事を掲載する程度だった。

 その中で目立ったのは日本経済新聞である。他紙よりもはるかに多くの紙面を割いて、生産年齢人口の減少、単身高齢者の増加、外国人人口の増加を取り上げていた。いずれも今後の経済力や年金に関わる要因であるからだ。

外国人の増加

 法務省の外国人統計によると、1950年に60万人だった外国人人口は緩やかに増加して、85年には85万人になった(図1)。円高、バブル期には増加の速度を早めた。リーマン・ショックや東日本大震災の影響で多少、速度は落ちたとはいえ、2015年には223万人に増加した。

 さらに20年には、コロナ禍の影響があったにもかかわらず、293万人へと増加している。1985年までは1%に満たなかった総人口に対する外国人人口の割合は、2020年には2.3%と初めて2%台に乗った。

 外国人の増加は生産年齢人口(15〜64歳)の減少と無関係ではない。生産年齢人口は戦後の1950年(5017万人)から95年のピーク(8716万人)へと増加した。しかしその後、総人口に先駆けて減少が始まった。2020年の生産年齢人口は7509万人で、ピーク時の86%まで縮小している。

 生産年齢人口の総人口に対する割合は、1965年から2005年までの間、65%を上回っていたが、20年に60%を下回るようになった。今後は50%程度まで低下すると予測されている。「人口ボーナス」の時代から「人口オーナス」の時代への転換である。経済力の弱体化につながることが懸念される。

 労働力の縮小を補うためには、豊富で低廉な労働力を求めて生産活動の拠点を海外に移すこと、機械化やデジタル化を通じて労働生産性を向上させること、労働力として十分に活用されてこなかった女性や高齢者の活用が考えられる。加えて、国外から労働力を導入するのも重要な手段である。

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