オトナの教養 週末の一冊

2022年2月13日

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 北京冬季オリンピックを開催している中国は、海外からの選手やスタッフにも徹底的な感染対策を強いている。ここまでの中国による〝ゼロコロナ〟対策を支えているのが新型コロナ感染拡大前から政府によって進められていた「デジタル監視社会」である。デジタルによるデータ連携をコロナ禍で急速に発展させて感染対策の管理を成し遂げた。

北京五輪でも、徹底したコロナ対策が進められている(ロイター/アフロ)

 「デジタル化」「データ活用」が官民ともに叫ばれている中で、日本は中国のコロナ対策から良きも悪きもどう学ぶべきなのか。「デジタルデータの活用は、世界的に進めていかなければならないこと。それでも、政府をはじめとした公権力が自由に使うことが良いのかを問われ続ける社会でなければならない」。『中国「コロナ封じ」の虚実 デジタル監視は14億人を統制できるか』を上梓したジャーナリストの高口康太氏にインタビューした。

ひたすら進める「超」バブル方式

 高口氏は、中国社会や経済・企業、ネット世論を中心に取材活動している。2019年には、神戸大学大学院経済学研究科の梶谷懐教授とともに、中国がデジタル技術を活用しいかに社会統制を図ろうとしているかを分析した『幸福な監視国家・中国』(NHK新書)を著している。本書は監視技術がいかにコロナ対策に活用されたかを描いた、続編としての立ち位置を持つ。

 「監視大国として紹介されることが多い中国だが、実際には取りこぼしている空間がいくつもあった。コロナ対策で活用されるにしても穴は多いと予測していたが、パンデミックから人々を守るという錦の御旗を手にして、監視が徹底されるように変わっていった。『ここまでできるのか』という、驚きの部分を描きたかった」と執筆への動機を語る。

 本著は、中国が本格的な新型コロナ対策を始める前の20年1月初旬と、すさまじい勢いで対策を進めている最中の同年2月の現地取材を交えながら、デジタルを活用したコロナ対策やそこに動員されていく中国国民、はびこり続けていたデマへの対応や世論統制といったところまで検証している。

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