世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年3月14日

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 ロシアのウクライナ侵略が続く中、フィンランドとスウェーデンでは北大西洋条約機構(NATO)加盟を求める世論が強まっている。最近の世論調査では、両国においてNATO加盟を支持する意見が初めて過半数を超えた。

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 2月28日に公表された、フィンランドの国営放送局の調査においては、フィンランド人の53%がNATO加盟を支持し、28%が反対し、19%がわからないと答えた。同じような調査が2017年に行われた時には、53%が反対で、19%が賛成であった。一方、3月4日に公表された、スウェーデンの世論調査会社による調査では、NATO加盟への支持は51%に増加し、反対は27%にまで減った。

 バルト諸国は、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟を主張してきた。フィナンシャル・タイムズ紙の報道によれば、ラトビア議会のコルス外交委員長は、同紙に対し、「彼らのNATO加盟はこの地域の安全保障を高め、侵略者への抑止力を強める。私はフィンランドとスウェーデンの同僚に常に、いつNATOに入るのかと聞いている」と語った由である。

 冷戦中、ノルウェーはNATO加盟、スウェーデンは中立、フィンランドは親ソ連という、いわゆる北欧の安全保障バランスが成り立って来た。しかし、最近、このバランスは崩れてきていたように思われる。フィンランドとスウェーデンの政治指導部は、NATO加盟をまだ明言してはいないが、今回のロシアのウクライナ侵攻でほぼ決定的に、スウェーデンとフィンランドはNATO加盟を志向するに至るだろう。

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