2024年4月26日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年3月12日

 それは易しい作業ではないが、そうしないと、一つ以上の危機に対応する能力が失われ、敵に対する抑止力が失われる。ヘーゲルの国防長官指名公聴会では、この点が詰められなかったのは残念である、と述べています。

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 フロノイは、一時、国防長官就任が噂されたことがありますが、結局、ヘーゲルの指名が承認されたので、その可能性は無くなりました。しかし、既に国防次官を経験しているので、今後ともオバマ政権の軍事、安全保障問題については、一定の発言力を保つと思われます。

 軍事費の削減は今や既定の事実となって来ています。強制削減も回避できませんでした。昨年秋までは、パネッタ国防長官自身それほどドラスティックなことは出来ないだろう予測していましたが、選挙後、オバマがますます自信を得て、頑固になっているように見受けられます。強制削減の発動も、オバマの頑迷ぶりの表れと言ってよいのでしょう。

 米国防費削減の影響を最小限に抑えようという場合、陸上兵力を削減して、海空戦闘能力を温存しようという議論が多いのですが、ここでは、軍事能力は温存したまま、過去十年で膨れ上がった、付帯経費を削減しようと提言しています。フロノイの言う通り上手くいくかどうかは分かりませんが、一つの具体的な前向きの提言と評価できます。

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