その上、EU首脳は5月30日、ロシア産原油の部分的輸入禁止にも合意。ロシアのプーチン大統領を徹底的に追い込み、制裁を貫く考えを示している。
押し寄せる食料品価格の高騰
エネルギー不足に加え、EU域内全体の食料品価格の高騰も日々、深刻な状況に陥っている。欧州の取引所大手「ユーロネクスト」によると、ロシアによるウクライナ産穀物の輸出規制などで、EUでは2月以降、穀物インフレが約40%を記録。小麦粉の値段は、2倍近くに跳ね上がっているという。
ローマ教皇庁(バチカン)のフランシスコ教皇は6月1日、サンピエトロ広場で「主に貧困国において、何百万人もの人々が依存するウクライナ産穀物の輸出が禁止されることは、とても不安」と指摘。「食事の基礎となる小麦粉を、戦争の武器にしてほしくない」と訴えた。
天然ガス同様、穀物も短期的な解決策は見込めない。ウクライナ侵攻と食糧難は、今後しばらく続き、他地域に紛争が連鎖する可能性もある。EUの体力にも限界がありそうだ。
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〝人手不足〟に喘ぐ日本で、頻繁に取り上げられるフレーズがある。「外国人労働者がいなければ日本(社会)は成り立たない」というものだ。しかし、外国人労働者に依存し続けることで、日本の本当の課題から目を背けていないか?ご都合主義の外国人労働者受け入れに終止符を打たなければ、将来に大きな禍根を残すことになる。
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