2022年8月18日(木)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年8月2日

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先﨑彰容 (せんざき・あきなか)

日本大学危機管理学部 教授

東京大学文学部倫理学科卒、東北大学大学院博士課程を修了。フランス社会科学高等研究院に留学。専門は日本思想史。著書に『違和感の正体』、『バッシング論』、『国家の尊厳』(以上、新潮新書)の三部作が話題に。

 「Wedge」2022年8月号に掲載されている特集「歪んだ戦後日本の安保観 改革するなら今しかない」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
日本は世界の〝主人公〟の一角となることを否応なく求められている (DA-KUK/GETTYIMAGES)

 「今後、日本は、世界はどうなってしまうのですか」。コロナ禍以降、しばしば人から質問されるようになった。当然と言えば当然で、眼に見えない敵にわれわれが抱く恐怖はどこまでも広がる。地震や津波で破壊されたわけでもないのに、店舗からも鉄道からも人が消え、従来のビジネスモデルが通用しない。社会は混沌に陥ったのだ。

 その中を生きる「私」も位置づけを見失い、どう生きたらいいか分からない。羅針盤がなければ、どちらに進んだらいいか分からないからである。投資先も将来像も描けない。

 そこに突然、ウクライナ危機が重なった。常任理事国の一角を占めるロシアが核兵器の使用をちらつかせ、西側全てを敵に回している。第二次世界大戦後の国際秩序への挑戦であり、国連への期待という常識は通用しない。いったい世界は、日本は、ほかならぬ私自身はどうなってしまうのか──。こうした不安が、質問者の背景にはある。

 だから防衛費の国内総生産(GDP)比2%への増額であれ、憲法改正であれ、コロナ対応の是非であれ、個別問題だけを論じても意味がない。近視眼的に是非を論じ、興奮しているだけでは将来像は描けない。日本が置かれている現状を俯瞰し、時代全体の流れを把握しなければならない。広い視野を持つ者こそ、羅針盤の行く先を指し示すことができるからだ。

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