2022年9月26日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年9月19日

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 2022年8月25日付のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が、「中国が台湾を窒息させる方法」と題する記事を掲載し、中国のシナリオは封鎖戦略である、それにはサイバーなどの情報攻撃や海底ケーブルの切断が含まれると分析している。

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 この記事は、
①中国が台湾圧迫のために、あるいは大々的な軍事行動の前哨戦として、封鎖して、台湾を窒息させるシナリオがありうる。
②8月の演習は完全なリハーサルではなかった、実際の封鎖になればグアムや在日米軍基地が攻撃される可能性もある。
③封鎖には目的に応じて強めたり、緩めたりできる柔軟性のメリットがある。
④中国は情報戦を支配しようとする、8月に高雄の新左営駅では構内ディスプレイがハッカー攻撃を受けてペロシ米下院議長を非難するメッセージが映し出された、データ送信が依存する海底ケーブルが切断される可能性もある。
⑤武力示威の常態化は台湾を鈍感にさせ台湾は奇襲攻撃に脆弱になる、示威効果を維持するためにはそれを段々と引上げざるを得ず米中衝突のリスクを孕むことになる。
旨指摘する。なお、この記事には海底ケーブル敷設地図、中間線侵犯軌跡地図など興味深い地図が含まれている。

 NYTの記事は、8月の演習は本格的なリハーサルではなかったと言う。巷間リハーサル論が広くあるなか、興味深い指摘である。本格的行動の際はもっと暴力的になると言う。その時には今回使用の対地ミサイルではなく、先進的な対艦、対空ミサイルを使うだろうと述べる。

 いずれにせよ、中国が台湾に軍事的圧迫を始める場合、封鎖が最初の戦略になる可能性が高くなっているということであろう。昨年2月に、米国専門家(ブラックウィルとゼリコウ)が挙げた三つのシナリオは、
⑴ 南シナ海の太平島等周辺地域への侵攻
⑵ 本島の隔離(緩い封鎖)
⑶ 本島への侵攻
であった。しかし、今や中国は、⑴ のような迂遠なシナリオには関心を持っていないのではないか。中国が香港統一やウクライナ戦争から学んだ教訓は、実力で台湾を支配する場合は一挙に大型の短期決戦をせねばならないと考えているのではないだろうか。

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