2024年6月18日(火)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2022年10月4日

ニシンで地方創生を

 魚がたくさん獲れるようになると、漁業はもちろんですが、さまざまな産業が生まれて行きます。水揚げされた魚を加工する水産加工業、保管・冷凍・配送などの物流業、造船や漁業機器を作る製造業、資金繰りを助ける金融業、それぞれの産業で働く人の家族の学校、住居などすそ野が広がっていきます。

 北は北海道から南は九州まで、魚種は違えどかつて魚で潤った港町は全国に存在します。しかしながら、そのほとんどが、魚の資源が減り、かつての繁栄が、衰退に変ってしまっています。

 一方で、世界では北欧、北米、オセアニアを始め、乱獲により資源が一時的に大きく減少して苦しんだのちに、魚が減った原因を乱獲ととらえ、科学的根拠をもとにして資源を回復させている例がいくつもあります。そして、漁業で繁栄を続けている地方があちらこちらにあります。

 水産資源管理が機能して魚の資源が回復した例は、北欧のニシンを始め数多くあります。現状の資源評価では、ニシンは1万トンそこそこの漁獲量でも「資源量は高位で増加」といった評価がされていますが、そんなポテンシャルが低い魚ではありません。

 手遅れにならないうちに、北欧での2つの資源回復例を参考とし、一時的に補助金を使ってでも漁獲圧を大幅に下げ、ニシンにたくさん産卵させ続ける。そして生まれたニシンの資源をSDGs14(海の豊かさを守ろう)の中、そして2020年に施行された改正漁業法にもある最大持続生産量(MSY)をベースにした資源管理が、一刻も早く求められているのです。

 
 『Wedge』2022年3月号で「魚も漁師も消えゆく日本 復活の方法はこれしかない」を特集しております。
 四方を海に囲まれ、好漁場にも恵まれた日本。かつては、世界に冠たる水産大国だった。しかし日本の食卓を彩った魚は不漁が相次いでいる。魚の資源量が減少し続けているからだ。2020年12月、70年ぶりに漁業法が改正され、日本の漁業は「持続可能」を目指すべく舵を切ったかに見える。だが、日本の海が抱える問題は多い。突破口はあるのか。
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