2022年10月6日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2022年8月20日

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片野 歩 (かたの・あゆむ)

水産会社社員

東京生まれ。早稲田大学卒。2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。1990年より、最前線で北欧を主体とした水産物の買付業務に携わる。特に世界第2位の輸出国として成長を続けているノルウェーには、20年以上、毎年訪問を続け、日本の水産業との違いを目の当たりにしてきた。著書に『日本の水産資源管理』(慶應義塾大学出版会) 『日本の漁業が崩壊する本当の理由』『魚はどこに消えた?』(ともにウェッジ)、『日本の水産業は復活できる!』(日本経済新聞出版社)、「ノルウェーの水産資源管理改革」(八田達夫・髙田眞著、『日本の農林水産業』<日本経済新聞出版社>所収)。

 今年も例年通り8月20日に、サンマの棒受け網漁の大型船の出漁が始まりました。日本のサンマ漁の漁獲量の約99%が、大型船を主体とする棒受け網漁が占めています。しかし漁獲量は減り続けていて、昨年(2021年)は僅か2万トンを切り過去最低を更新しました。一方で、漁獲の減少に伴い、魚価は大幅にアップしています。残念ながら大衆魚のサンマが、漁獲量の減少で大衆魚ではなくなりつつあります。

(@Aoki Nobuyuki )

 下のグラフでイメージが沸くと思いますが、サンマ資源は太平洋側にしかなく、全体で激減しています。魚価高のため、わが国も含めた各国の漁船は、その激減したサンマを少しでも多く獲ろうと同じ漁場に集まっています。

サンマの資源量推移(出所)NPFC 写真を拡大

 

 漁獲可能量(TAC)は北太平洋漁業委員会(NPFC)で、一応設定されているように見えます。ところが、実際に漁獲できる数量より、はるかに大きく設定されてしまっています。しかも、国別に枠が配分されているわけではないので、各国は同じ漁場で入り乱れて操業しており、資源管理には全く役立っていません。

甘い管理を狙ってサンマ漁に参入して来た国々

 サンマ漁に参入しているのは、日本を始め台湾、中国、韓国、バヌアツそしてロシアの6カ国です。もともとは、下の漁獲量推移グラフで分かる通り、日本の漁獲量が8割以上と圧倒していました。

サンマの漁獲量推移(出所)水産研究教育機構 写真を拡大

 

 韓国とロシアはもともと漁獲実績がありました。ところがまず台湾が2000年代に入り漁獲量を急増させています。次に、中国(12年)とバヌアツ(13年)が近年参入し、漁場はサンマ漁の激戦区になってしまいました。

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