2022年11月28日(月)

バイデンのアメリカ

2022年10月18日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 「ロシアが核使用すれば、アルマゲドン(人類破滅)を招く」――。バイデン大統領が、プーチン露大統領による対ウクライナ核威嚇に関連して漏らした一言は、またたくまに世界を駆け巡り、米国内でも大きな波紋を広げている。

(AP/アフロ)

波紋を呼んだバイデンの核使用への対応

 バイデン大統領は去る6日、ニューヨーク市内の有力財界人宅で開かれた民主党選挙資金集めの会合で内外情勢について演説、プーチン大統領の仕掛けたウクライナ戦争に関連して、以下のように述べた:

 「私はプーチンのことをよく知っているが、彼がウクライナに対し戦術核兵器か生物兵器の使用に言及したのは、けっしてジョークではない」

 「われわれは、ケネディ政権当時のキューバ危機以来、アルマゲドンの可能性に直面したことはかつてなかった。私が思うに、(彼が)安易に戦術核兵器使用に踏み切った場合、それがアルマゲドンに至らないなどということはありえない」

 「プーチンは一体、どこに戦争の出口を見出そうとしているのか、そしてまた、彼は著しく面目と権力を失墜させて自分自身の置き場をどう考えつつあるのか、われわれとしても、思案しているところだ」

 しかし、プライベートな場での非公式コメントとはいえ、大統領の「アルマゲドン」発言は出席者たちの間で話題もちきりとなり、一部メディアでリークされるに及んで一気に波紋が広がった。

 このため、政府当局者たちも、直ちに火消しに追われた。

 カリーヌ・ジャンピエール大統領報道官は翌7日、大統領専用機エアフォース・ワンの機内でホワイトハウス詰め記者団に対し、「われわれとしては、米国自身の現下の核戦略態勢を変更する理由はなく、また、ロシアがただちに核兵器使用のための準備に入ったことを示す兆候も見当たらない」として、差し迫った核戦争の可能性を打ち消すと同時に、「ロシアによる核威嚇が無責任極まりないものであり、それを真剣に受け止めるべきだ、というのが大統領発言の趣旨だ」と説明した。

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