国際秩序が揺らぐ今、日米同盟はかつてないほど重要な意義を持つ。元米国防副次官補が語った日本のとるべき道とは。「Wedge」2022年11月号に掲載されているWEDGE SPECIAL OPINION「台湾統一を目論む中国 「有事」の日に日本は備えよ」では、そこに欠かせない視点を提言しております。記事内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
今年8月のペロシ米下院議長の訪台に、中国は大規模な軍事演習で応えた。「台湾有事」が現実味を増す中で、日本のとるべき道とは何なのか。中国の内情とはいかなるものか。日本の防衛体制は盤石なのか。トランプ政権下で米国防副次官補を務めたエルブリッジ・コルビー氏をはじめ、気鋭の専門家たちが、「火薬庫」たる東アジアの今を読み解いた。
日本は目を覚ます必要がある。目をこすりながら徐々にではなく、即座にベッドから飛び起きなければならない。日本の防衛は今の時代にとって、嘆かわしく危険なほど不十分だというのが紛れもない事実だ。この状況を変える必要がある。しかも直ちに、だ。
「吉田ドクトリン」(吉田茂元首相が打ち出した経済重視・軽武装の考え方)の世界、日本が事実上、自国の防衛を米国にアウトソーシングしていた世界は、今や遠い過去の話だ。あの世界は、中国が近隣の台湾のみならず、日本自体にとっても恐ろしい脅威を突き付ける世界になっているのだ。
中国人民解放軍はもはや、ただ台湾問題を解決するためだけの軍隊ではない。明らかに戦力投射型の軍隊になりつつあり、空母や宇宙衛星、航続距離の長い潜水艦、爆撃機をふんだんに備えている。これは効果的な反撃能力で応じない限り、西太平洋全体、さらにはもっと遠い先まで圧倒的な戦力を投射できるようになる軍隊だ。