2023年1月30日(月)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2022年12月1日

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高口康太 (たかぐち・こうた)

ジャーナリスト

1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。中国・南開大学に留学後、ジャーナリストとして活躍。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版)など多数。千葉大学客員准教授を兼務。

 「中国共産党は私たちの声を聞いて目を覚ましてくれる。今の政策を変えてくれるはずだ」

 中国共産党による「ゼロコロナ」政策を批判する抗議運動、いわゆる「白紙革命」の集会が11月30日夜、新宿駅南口で開催された。「習近平下台!共産党下台!」(習近平辞めろ!打倒共産党!)とのシュプレヒコールが上がるなか、意外な言葉を聞いた。他にも、「香港独立や打倒中国共産党なんて言われると近寄れない。追悼のために来たのに、一緒にされたくない」とぼやく人も少なくなかった。

新宿駅南口で行われた抗議運動(筆者撮影、以下同)

 集会にはざっと見て数百人が参加したと思われるが、中央部ではステージに上がった演者のかけ声に合わせてシュプレヒコールが繰り返されていた。その後ろには香港独立旗や「自由か死か」と書かれた横断幕などが掲げられていた。

 一方で、その両脇には新疆ウイグル自治区で起こった集団住宅火災の犠牲者を追悼するLEDろうそくと献花が並んだ祭壇があり、静かに祈る人の姿も。さらには祭壇にすら近寄らず遠巻きに見守る人もいれば、小走りで近づいてきて祭壇に献花するやいなや足早に立ち去っていった人々もいた。

新疆ウイグル自治区で起こった集団住宅火災の犠牲者を追悼する祭壇。「習近平は世界共通の敵」「習近平は中国人民を痛めつけるヒトラー」とのメッセージが置かれている
こちらも追悼の祭壇。政権批判のメッセージはなく、純粋な追悼用

 白紙革命は11月26日、上海市の集会で世界的な注目を集めるようになった。抗議集会やデモそのものは中国でも珍しい話ではないが、それは未払い給与の支払いや投資詐欺の救済、強圧的な土地収用への抗議などを求めるものが中心で、中国共産党トップを批判することはきわめて異例だったからだ。

 だが、その集会ですらも、決して一枚岩ではなかったという。集会に参加していた女性の音声SNS「クラブハウス」の現地実況によると、「習近平辞めろ!」のシュプレヒコールをあげている人もいれば、ただ黙々と白紙を掲げる人や献花するだけの人など温度差はあった。

 このことをどう理解するべきなのか? 27日夜にも新宿駅で「白紙革命」の抗議集会が開催されている。その主催者に話を聞いた。


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